林蘊蓄斎の文画な日々
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俳諧独学

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『日用百科全書第拾一編俳諧独学』(博文館、明治三十年三版)。装幀および口絵は富岡永洗。この時期の口絵は木版刷りが多いので見逃せない。一昨日、東山区まで貸家の内覧に出掛けた帰りに尚学堂書店で発見した。むろん表の二百円均一。

帳場で会計を済まして、ふつうならそのまま出てしまうのだが、この日は、ちょっと棚も眺めてみようかな、ふとそう思った。『婦人世界』などがけっこう積み上げられているなかに、『凸凹黒兵衛』『こぐまのコロ助』などがあるも、状態が悪いわりにはそこそこの値段がついていた。

それでもひっくり返していると、おや、と思う一冊が目に留まった。明治時代の小説本だ。ほぼ『俳諧独学』と同じような体裁で、タイトルが定家流というのか、独特のクセのある文字で書かれている。かろうじて作者名が村井弦斎と読めた。奥付を確かめようとしたら、裏表紙と奥付の小口をくっつけてしまっている。本文は割ときれいなので扉で確かめると、間違いない。『鎧の風』だ。明治三十一年刊行。

ところが値段がどこにも見当たらない。ちょっと期待しながら、ご主人に尋ねてみる。ご主人がいたのもラッキーだった。奥さんなら分からない。
「村井弦斎か……、値段つけてなかったかなあ」
ひっくり返したり、くっついた奥付を広げたりして点検したあげく
「千円です」
内心「ナイス!」。値段を付けていないから売らない、などとは決して言わないご主人である。
「千円ですか……、どうしようかなあ」
などともったいぶって間を置いたあと「じゃあ、頂戴します」と頂戴した。

帰宅後、さっそく村井弦斎ならこの人、黒岩女史にメールしてみると、未所蔵だというではないか。個展のときに手土産までいただたいていたので、差し上げても良かったのだが、それも失礼のような気がして、千円でお譲りすることにした。ネットで検索すると、やはりかなりの値段が付いていた。むろんもっと状態はいいのだろう。村井弦斎に「ちょっと、ちょっと」と呼び止められたような、不思議な収穫であった。

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『サンパン』掲載の曽根博義氏の小林多喜二発見が朝日新聞の文化欄に大きく取り上げられていた。松本さんによれば、今号はたいへん評判が良いとのことで、再出発としては上々の滑り出しだ。

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神奈川県近代美術館より「パリのエスプリ佐伯祐三と佐野繁次郎展」のチラシと招待状をいただく。葉山はまだ行ったことがないので行きたいが無理だなあ。

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渡辺竜王とコンピュータの戦い。棋譜が見てみたい。コンピュータが強くなったのは、計算速度の進歩ではなく、人間的な判断基準を取り入れたためである(チェスがそうだ)。だからポカもするようになったのか。

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井上明彦さんの父上が亡くなられたとブログで知った。

咲かぬまに散らぬ国へと越し行けり
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by sumus_co | 2007-03-23 20:49 | 古書日録
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