久しぶりに届いた『ロードス通信』20号より。『久坂葉子詩集』の五十部特装本だそうだ。その他にもけっこう欲しい本が出ていた。
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『失われた時を求めて』の冒頭については、これまで何度か話題にしたが、そこで触れなかった疑問がある。すべての邦訳が「長い間(あいだ)」としている「Longtemps」はほんとうに「長い間」でいいのだろうか? コメント欄でご教示いただいた工藤進氏の論考も言及しておられるが、「長い間」はごく普通なら「Pendant longtemps」のはずなのだ。Longtemps と言い切ってしまったところと、すでに触れたように「コントル・サント=ブーヴ」の半過去形と比較した、複合過去の問題が、この冒頭の独創性というか、不思議さになっているような気がする。
ところで「北條霞亭」を読了したら、プルーストにとりかかりたいなどと書いてしまったが、最後まで読んでいなかった『京都画壇周辺』を持ち込んだので、しばらくどうしようもない。が、いずれテキストを入手して、あわてず読んでみたいとは思っている。できれば、死ぬまでに。
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北窓の気泡数へて開けもせず
白水社のエッセイ、初校ゲラを直して返送した。担当編集者S氏より、エッセイの差し替えを求められたので、選択から外していた二本を復活させた。たしかにこの方がバランスがいいかもしれない。