林蘊蓄斎の文画な日々
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竹内道之助

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古谷綱武『川端康成』(作品社、一九三六年)の扉前の遊び紙。竹内宛献呈署名。この三笠書房の創業者である竹内道之助もなかなか面白い人物のようだ。一九〇二年東京生れ。正則英語学校、アテネフランセを卒業。上森健一郎らの文芸資料研究会に入った後、昭和八年に三笠書房を興している。『作品ヂャーナル』(一九三八年)掲載の刊行書目には、ロレンス、ハツクスレ、ジイド、プルウスト、ポホル・ジラルデイ、リラダン、ホフマン、ゲエテ、ヘツセ、トーマス・マン、フエルデス、ショーロフ、エレンブルグ、ファジエーエフ、グラトコフ、ドストイエフスキーらの翻訳小説が並んでいる。これらの内、ジイドの『窄き門其他』と『田園交響楽其他』は竹内自身の翻訳となっている。

三笠書房一番のヒット作品は、言わずと知れた『風と共に去りぬ』。原作『Gone With the Wind』(MacMillan, NY)は一九三六年五月に初版が刊行され、クリスマスまでに百万部を突破したというスマッシュヒットそしてロングセラー。同年度のピューリッツア賞を受賞。ネットで見つけたダストジャケット付きの、正真正銘の、初版本はおよそ一万ドルもしている。
http://www.quigleysbooks.com/gww.html

二年後には日本でも翻訳が出版され、各社それぞれのタイトルを付けて後に続いた。この時代には独占翻訳権という概念はなかったようだ(?)。

風に散りぬ マーガレツト・ミチエル著 阿部知二訳編 河出書房 昭13
風と共に去る マアガレット・ミッチェル著 深沢正策訳 第一書房 昭13-14
風と共に去れり マーガレツト・ミツチェル著 藤原邦夫訳 明窓社 昭和14
風と共に去りぬ マーガレット・ミッチエル著 大久保康雄訳 三笠書房 昭14
風と共に散りぬ マアガレット・ミッチェル著 深沢正策訳 創芸社・近代文庫 昭28
古書の森日記2009/2/6参照のこと)

三笠書房は大久保康雄(おおくぼ やすお、1905ー1987)訳で刊行したが、これが大ヒットし、タイトルも一般に定着した。三笠の戦後版では、竹内との共訳となっている。竹内は五来訳の例でもそうだが、自分で手を入れたいタイプのようである。タイトルだけでなく最後の決めセリフ「Tomorrow is another day」も訳者それぞれによっててんでんバラバラの日本語に置き換えられているようで(手許にないので比較出来ないが)、較べてみると、きっと笑えるだろう。

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浮田要三個展
2月24日(土)〜3月7日(水) ギャラリー島田
《'02年以来、5年ぶりの個展です。83歳を迎え、枯れるどころか益々、今と厳しく向かいあい、感性を全快に、しかし厳しく削ぎ落とし、自己存在と物質感の緊張を孕んだ均衡を提示する。その構成が、華やいだように見えるのは何故だろう。
 「具体」と童詩雑誌「きりん」との関連で語られることが多いが、それらと離れてすでに45年。現代に生きる作家として、先端を切り裂くような愚直なまでの「真正面性」が空間を建築する。ご高覧下さい。》

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3月16〜18日、2007 東美アートフェア 春 絵画・近代美術において岸本画廊のブースで近作展をやらせてもらう。そのカタログが届いた。美術商の世界というのはこういうものなのかと改めて知る。これまでほとんど縁がなかったので。

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青年のばばシヤツ脱ぎぬ蕎麦の湯気

本日、税務署へ書類を提出したついでに、足をのばして神宮道近くの蕎麦店・桝富にてランチ。詳しくはカテゴリー欄「京都おたべガイド」参照。給仕をしている青年が「今日は暑いですね。ばばシャツを脱ぎましたよ」と厨房の中でしゃべっていた。ほんとに春の陽気。梅が満開だった。
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by sumus_co | 2007-02-23 21:50 | 古書日録
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