林蘊蓄斎の文画な日々
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ひびもなきロダンの女腕を置く

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『風景』(一九六九年一月)百号記念。発行所は悠々会。表紙は風間完。この雑誌は紀伊國屋書店の田辺茂一が舟橋聖一と同級生だった関係から《私たちキアラの会に眼をつけて、金は出すが口は出さぬという条件のもとに編集を依頼してきたもので、東京都内の有力書店主によって結成されていた「悠々会」の加盟店が規模の大小によって割り当られた部数を買い取り》顧客に無料配布したのだそうだ(野口冨士男『感触的昭和文壇史』)。編集担当は野口冨士男、有馬頼義、吉行淳之介、船山馨、沢野久男……と継承されたようである。終刊は昭和五十一年四月号(187号)。

『芸術新潮』二月号が川端康成コレクションの特集だというので、近所の書店まで立ち読みに出かけた。良ければ買おうと思っていたが、どうしてまったくマッチしないイラストをいくつも途中に入れるかなあ。いきなり金冬心の墨梅が掛かっている写真があって、おお、これはと思ったが、なんども頁を繰っているとイラストがひどく目障りなのだ。買おうという意欲が萎えてしまって、古本でいいや、となってしまった。

川端は『風景』にも「一草一花」という連載随筆を書いている。この号では日蓮の手紙を古美術商で見せられ、自分なりにあれこれ調べている様子である。ノーベル賞が決定したという通知のあった直後らしい。

『芸術新潮』の表紙は川端がロダン作の女の手を喰い入るようにその大きな眼で見つめている写真。それを見て川端の「片腕」という小説を思い出した。

《「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝(ひざ)においた。
「ありがとう。」と私は膝を見た。娘の右腕のあたたかさが膝に伝わった。》

昭和三十八年から九年にかけて『新潮』に連載されたものだが、これはまるで大正末期の新感覚派の小説である。例えば横光利一の「頭ならびに腹」だとか藤沢桓夫の「首」だとか、タイトルからして「片腕」はこれらとの共通点を感じさせる。むろんずっと老獪な筆致ではあるものの。

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街の草さんよりご教示いただいた。有り難うございます。

《昭和文学全集の装幀は原弘・永井一正です。昭和37年刊行の小林秀雄集奥付より。高校生のころはこの、白いビニールの表紙が安っぽい感じで、キライでした。図書室にあったのです。いまは、まあ、これもいいかも。古本としては、新しい素材を装幀に使用しようと意欲を示した、その時代を示しているかんじ。》

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『spin』01の感想がいろいろと届いている。「エエジャナイカ」の評判がええじゃないか! 猫額洞の日々にもご紹介いただいた(1月27日)。同じエキブロなのでリンクさせていただいた。

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『attention』をyanaseさまがお送りくださったということですので、重複分を読者の方にプレゼントさせていただきます。ご希望の方は sumus_co@yahoo.co.jp まで。応募多数の場合は独断。
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by sumus_co | 2007-01-30 22:05 | 古書日録
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