林蘊蓄斎の文画な日々
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曲りなりにも字となつて冬ぬくし

文字を頼まれて朝からお習字。著書への署名はほとんど筆ペンだが、今日は硯を取り出して墨を摩る。といっても硯は道端で拾った古い鞄の中にたまたま入っていたもの。縁に欠けがあって墨を摩る面(丘という)が相当くぼんでいる。筆ももう何年も使っていて少々くたびれている。ま、道具に凝っていてはキリのない世界。墨はそこそこの品。和紙の用意がなかったのでストックのあった和紙風の上質紙を使う。

墨はやさしく摩らなければならないという。早く強く摩ると粒子が荒くなっていい色が出ないそうだが、そこまで分別できるレベルではないので、ここらも適当だ。むろん濃さは多少気にする。今日は案外調子良く書けた。

÷

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串田孫一『表現の悦び』(ミリオン・ブックス、一九五六年)。恵文社の古本市用に書棚を整理していて見つけた一冊。内容はともかく、この装幀が問題。扉にペン画、その裏に「装幀 有井泰」と明記してある。サインは「ari」。ざっと検索してみると以下のような本の装幀または挿絵を担当しているようだ。

スタイル 1951/11 スタイル社[カット]
眉月温泉 田宮虎彦 山田書店 1954
ソ連と中國 南原繁 中央公論社 1955
悲壮美の世界 佐藤春夫 ミリオン・ブックス 1955 
『白樺』派の文学 本多秋五 ミリオン・ブックス 1955 
感情旅行 中村真一郎 ミリオン・ブックス 1955
中村光夫作家論集 中村光夫 [決定普及版] ミリオン・ブックス 1957 
潮軍記 尾崎士郎 小壺天書房 1957
海底旅行 佐々木忠義 牧書店 1958
血(上下) 宮野村子 小壺天書房 1958
男と女の子 吉行淳之介 大日本雄弁会講談社 1958
航海記 海上の友編集部編 海上労働協会 1958
日月の窓 阿部知二 講談社 1959
科学捜査ノート 山田誠編 ミリオン・ブックス 1959
若き心のさすらい 田宮虎彦 光文社 1959
昆虫の採集・標本と飼い方 矢島稔 牧書店 1961
脱線ドクトル―風俗のカルテ12カ月 押鐘篤 1962
蒼い黄土 楳本捨三 番町書房 1963
随筆 北方山脈 滑川道夫 牧書店 1963
貝の科学 : なぎさでの研究30年 阿部襄 牧書店 1965
わたしの野生動物記  阿部襄 牧書店 1966
少年少女歴史小説・北海の道 鈴木喜代春 牧書店 1966
みんなで書いた野口雨情伝 金の星社 1973

断言はできないが、ひょっとして、有井泰とは串田孫一その人なのではないか? ご教示を乞う。
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by sumus_co | 2006-12-20 22:20 | 著述関連
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