林蘊蓄斎の文画な日々
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足の冷やかに立ち居り市電見ゆ

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南海本線の堺駅まで出かけた。詩人の瀧さんと待ち合わせ、一緒に某氏を訪ねる。オレンジ色に塗られた路面電車が過ぎて行った。『足の冷える場所』(書肆山田、二〇〇二年、装幀=間村俊一)をいただく。

帰途、難波で降りて、千日前南海通りにある波屋書房に立ち寄る。書皮が目当て(上図、栞もオリジナル)。料理書専門店だそうだが、店の半分は一般書。なんとなく昔ながらの匂いを残した品揃えである。あれこれ悩んで、結局『現代詩手帖特集版塚本邦雄の宇宙詩魂玲瓏』(思潮社、二〇〇五年)を買うことにする。理由は巻頭アルバムの中の一枚に書肆季節社政田岑生が写っていたため。予想外の風貌だった。ご本人を存じ上げないので、あの几帳面な装本からのみ想像していたが(というか想像も及ばなかったが)、眺めれば眺めるほど頷けるような気になってくる。塚本邦雄五十句より。

 父を撲ち稀には水の中に星
 還暦やしろがねの雁さかしまに
 甘露てふもの冬瀧の遠しぶき
 春雷のあとなまぐさき椿かな

近くの天地書房となんば書籍(同じビルの一階と地階)ものぞく。文芸書は割安感がある。蔵書処分予定でなければ数冊買ったかもしれないが、手ぶらで出る。帰路の車中で『足の冷える場所』を読む。とてもいい詩集である。
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by sumus_co | 2006-12-09 22:59 | 古書日録
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