奥成達氏よりいただいた『無意味の原像』(highmoonoon、二〇〇五年)。「ら」という詩の一部。タテに配置したが、むろん写真の右側が下になっているので、首を寝かせて読んでいただきたい。ここまで平坦な並びの詩はめずらしいと思う。まるで扁額みたいだ。扁額の文字はあれは横書きではなくて縦書きだという説があったが、確かにその通り。
highmoonoon という版元はジョン・ソルト氏の個人プレスのようである。発行所住所がカリフォルニアのハリウッドで、印刷所がタイのバンコク。制作は
book bar 4で 、これは日本。副題が「Meaningless Film Development」となっていて直訳すれば「無意味の現像」、まさかこれは誤訳? というにはあまりにあからさまなので、恣意的なものだろう。
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戸田勝久さんより高輪の啓祐堂ギャラリーで開かれる「彷徨う本」と題した個展の案内状。本の絵ばかりのようだ。12月10日〜17日。
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銀座ブックバザールが来年「古書籍・書画幅大即売会」と名称を変えて2007年2月1日(木)~5日(月)に松坂屋銀座店7回台催事場で開催される。会場が広くなるので参加店を募集しているとのこと。南陀楼綾繁氏も出店するそうだが、すむーす堂はさすがに無理である。出品希望の方は12月10日までに
ポラン書房さんへお問い合わせいただけばと思う。
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もうひとつ早耳ニュース。東京堂書店で来年の2月3日に月の輪さん、石神井さん、七色さんの三人トークショーが開かれる。聞きたい(!)が、その日は用事があって……(用事がなくても無理か)。
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「立ち上げる」という言葉はもう辞書にも載っている。しかし「立つ」という自動詞と「上げる」という他動詞をくっつけるのはけしからん! と、たしか阿川弘之が怒っていた。みんなで使えば怖くない類いの動詞かもしれない。ただ、「たち」を「立ち」と考えず、強勢の接頭語(たち勝る、たち至る)と思えばそう腹も立たない。ま、小生は使わないように気をつけているが。
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先週のミュージック・ステーションにU2が出演して屋上で iPod のCMソングなど二曲を演奏した。ボノは少し太ったね、というかみんな年取ったなあ(当たり前すぎる感想)。そうそう「Always 三丁目の夕日」をTV録画で観た。むかしよくあったエピソードばかりでネタはもっと新しくして欲しいような気もしたし(何しろ昭和三十年生まれだもの)、Dr.コトーはともかく小雪はないだろうとも思ったが、最後まで見ることができた。
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近所にビルが建とうとしている。数日前から基部にコンクリートを流し込んでいる。ミキサー車から太いホースで注ぎ込むとホースがぶるぶる震える。今日、大阪では初氷だったとか。ああ、また俳句の解説になった。