シムノン『Maigret Chez le Coroner』(PRESSES POCKET, 1957)。これを買ったときに「検死官時代のメグレ」といいかげんに紹介したが、「検死官審問廷のメグレ」が内容には合致しているらしい(当然読んでいないので)。chez というのは「〜の家(店)で(に、へ)」、または日本でもおなじみのように看板に「シェ・〜」とすれば屋号になる。ただしこの作品の邦題は『メグレ保安官になる』(河出書房新社版 メグレ警視シリーズ39/鈴木豊訳)。アメリカでの法廷が舞台になっているようだから「保安官」を使ったのかもしれない(保安官はフランス語でも sheriff シェリフ、念のためクラウン仏和を引いてみると sherif となっていた)。
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昨日、神田古書店連合目録『古本』32号をもらった。パラパラめくっていると、三茶書房の頁に「横溝正史旧蔵資料一括」というのが出ていてちょっと驚いた。
1 横溝正史草稿(未定稿、推稿)約5000枚
2 横溝正史原作シナリオ一括 150点約300冊
3 横溝正史旧蔵書(種本)ミステリー洋雑誌約300冊洋書160冊
4 横溝正史旧蔵近世歴史書他約4000冊
ちょうど朝日新聞に「横溝正史の生原稿/手直し刻んだ5000枚」という記事が出たので「おお」と思った。1の値段は880万円となっている。
他にも山崎書店、佐藤藝古堂、五反田遊古会などの目録ももらったので、いちおうすべてに目を通したが、今月の予算はほぼ使い果たしたから、注文はどうかなあ、本も減らしているし。三箱で多少なりとも売れてくれれば……。
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その三箱の発送準備をほぼ終える。
蟲文庫さんの日記にも「蟲の三箱」の写真が出ている。「蟲通信」無料配布とのことです。