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林蘊蓄斎の書物な日々
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闇に暮る木犀の位置明らけし


内田樹『先生はえらい』(ちくまプリマー新書、二〇〇五年)を古本市場で見つけた。内田本には注意しているのだが、さすがにまだ新古書市場では新参のようだ。もうそろそろあれこれ現れる頃だろう。カードにポイントがたまっていたので使う。ポイントは客の店に対する負債だという考えもあることなので、負債はさっさと返してもらおう。ちくまプリマー新書は何と言ってもクラフト・エヴィング商会の装幀が美しい。内容はいかにも内田先生らしくやさしい言葉で「誤解」すなわちディスコミュニケーションについて説いている。



昨日紹介した『なまず』から、渡辺一考氏の「つわものどもが夢のあと」は個人的に興味深く読んだ。デイリー・スムースでも先日、川西和露に触れたが、安井小洒を俳文堂の店主と推測したのは誤りであった。渡辺氏によれば、小洒安井知之は上筒井通七丁目なつめや書店店主である。元町六丁目俳文堂主人は有川正太郎、沛文洞と号したそうだ。渡辺稿より貴重な年譜を引き写しておく。

川西和露年譜
1875年 神戸市兵庫区東出町に生まれる。鉄材商を営む。本名徳三郎。
1907年 この頃より碧梧桐に師事。
1910年 摩耶会を起こす。玉島俳三昧に参加。玉島俳三昧とは備中の玉島で全国行脚中の碧梧桐を中心に十数名の同人が一つ宿に一週間ほど寝食を共にして催された俳三昧を指す。
1914年 第一和露句集上梓。
1915年 12月、第二和露句集上梓(短律見ゆ)。海紅同人。
1916年 12月、第三和露句集上梓(短律多し)。射手同人。
1914〜1916年 和露主宰の俳誌「阿蘭陀渡」発行。
1920年 第四和露句集上梓。碧梧桐外遊に贐けして。
1925年 10月、第五和露句集上梓。碧梧桐銀婚式を祝して。
1938年 和露文庫俳書目をひむろ社より上梓。
1944年 須磨月見山へ転居。和露荘と名づく蔵書の散逸を恐れ、古俳書を天理図書館へ収め、明治以後の活字本を神戸市立図書館へ寄贈。
1945年 死去。享年七十一歳。

ちなみに国会図書館には、和露のコレクションを活用した野田別天楼開題・安井小洒校訂『蕉門珍書百種』(蕉門珍書百種刊行会)の大正十四年から昭和四年まで35篇が所蔵されているようだ。

『なまず』ご希望の方はsumus_co@yahoo.co.jpまで。
by sumus_co | 2006-10-11 20:50 | 古書日録 | Trackback | Comments(1)
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Commented by 柳瀬 at 2006-10-12 09:07 x
林様
自転車でかなり派手に転倒してしまって、右手が使えなくなってしまいました。これは左手で打っていますが、ペンで書くのはまったく(不器用で)できませんので、今回だけこちらに応手させてください。①▲4七銀②△7四同銀③▲7七角。以上、左手将棋例言?でした。よろしくお願いいたします。
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