林蘊蓄斎の文画な日々
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白球よゆるゆる墜ちよ敗戦日

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ひさびさ、書店のレッテル。京都三条河原町西そろばんや。



昨日の「浴衣がけ」からもう少し引用する。

《伊太利を旅行して日本人に嬉しい気のするのは。何処に至つても饂飩攻めで、うどんと書いた看板こそ出ておらぬが、その盛んにマカロニを啜り込むことは大阪か四国へでも行つたやうな感じがする》(松花江の鯉)

うどんって、大正五年には「マカロニ」が通じて「スパゲッティ」は通じなかったのだろうか。《大阪か四国へでも行つたやうな感じ》ということは、その頃からうどんは四国(讃岐のみ?)の名物だったようだ。空海(讃岐出身)が製法を招来したという伝説があるのだから当然かもしれないが、具体的に讃岐で何時頃からうどんが盛んに消費されるようになったのかはあまり定かではないらしい。

他にはオーストラリア旅行の土産の話。

《椰子の実に鰐魚(わに)の頭を彫刻した「クロコダイル・ヘツド」と名づける珍物一個を所有してをる。これは英領ニユー・ギニアの土人が安全のお守りに、家の入口などに垂げておくものである。それに今一ツ例の「ブーメラング」と云ふ土人用の獣類飛殺機を所蔵してをる》(記念物)

獣類飛殺機……どんな殺戮機械かと思ってしまう。ちょうど第一次大戦中でもあり、中国や満州をめぐって小競り合いの続く、軍備増強時代だった。ちなみに大正五年、東郷青児が二科展に初出品した「パラソルをさせる女」で二科賞を受賞し、芥川の「鼻」が載った第四次『新思潮』が創刊されている。十二月九日には漱石が歿した。



『一寸』27号届く。青木茂氏の連載が単行本になったそうだ。『書痴、戦時下の美術書を読む』(平凡社、二〇〇六年)。森登氏の「江戸期銅版年表」は力作。

『日本古書通信』925号。松本翁連載は平井功の『游牧記』について。平井があんまりにもこまごまとした注文を精興舎に出すので印刷を断られてしまった。そのため予定されていた「游牧印書局限定家刻本」の刊行は頓挫してしまう。

T氏(樽見氏)の「古書街で出会う人々」が面白い。毎日神保町パトロールを欠かさない樽見氏が、よく顔を見る人として岡崎武志、山本昌一氏らを挙げ、最近名前を知った一人に右文書院の青柳さんがいること、まだ他に毎日会うのに名前を知らない人が二人いることなどを記している。

岩田氏より『笑息筋』218号(東京コメディ倶楽部)いただく。

《かつて山手線田端駅の周辺には、レオナルド熊をはじめ、マジックのマギー司郎やコント赤信号などの面々が住んでおり、レオナルド熊を中心に自然発生的に「田端グループ」なる一団ができた。仕事の少ない彼らにとって、上野公園の西郷像あたりは、コントやマジックの稽古場であるとともに、人前で芸を演じてみせる「公演会場」でもあった》(原健太郎「ポール・牧とその喜劇」第十回)
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by sumus_co | 2006-08-15 21:02 | 古書日録
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