林蘊蓄斎の文画な日々
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新聞紙替へて涼しき黄楊(つげ)の音

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もう一枚、旧明倫小学校。スロープになっている廊下の照明器具。アール・デコなり。

最近、「穂村弘」という名前をあちこちで見る。これを見るたびに「種村季弘」と読んでしまう。まったく違うのに……もうろくとはこういうことか。ナベツマはもう一枚上だ。もらった果物の「ネクタリン」を「ナフタリン」と呼んではばからない(Mさんありがと。ミカンも食べてます。by Nツマ)。

将棋の話のつづき。来年から、将棋名人戦の主催が毎日新聞から朝日新聞へ移ることになりそうだ。1日に将棋連盟の総会があり、棋士たちによる投票の結果、90票対101票で朝日と交渉することに決まったらしい。

小生が若い頃は名人戦(順位戦)は朝日主催だった。織田作之助、杉山平一、青山光二らと『海風』をやっていた吉井栄治が記者「栄」として観戦記を書いていた時代である。それが毎日に移行したのだから、当時は大騒ぎだった。移転派の大山名人と朝日派の升田・加藤一二三の対立があった(といっても大山名人の政治力は圧倒的だった)。

今回の朝日案は米長会長の思惑なのだろうか? 彼も相当政治的な人脈がありそうだ(国旗掲揚発言で今上天皇にたしなめられたのは記憶に新しい)。移転話自体、部外者にはかなり唐突だったが、はっきり言って、朝日の将棋欄があれ以来ずっと冴えなかったのは事実だから、狙ってはいたのだろう。

名人戦(実力名人制度)というのは一九三五年に毎日の前身、東京日日新聞が主催で開始したたもの。それまで名人位は世襲制だった。関根十三世名人が最後の世襲制名人。大正十三年(一九二四)に関根らが東京将棋連盟を結成。それに対抗して翌年には大阪朝日をバックにした阪田三吉が大阪で独自に名人を名乗ったりした。おお、対立は根深いたようだ。

で、将棋連盟の措置だが、せっかく拮抗した毎日・朝日の綱引きだったのだ。「名人戦主催新聞決定七番勝負」でもやってみれば面白かったのに。毎日・朝日それぞれ七人の棋士が闘って、勝ち越した方に決める。これは盛り上がったろうなあ。毎日の記事によれば、森内名人や羽生王将は毎日派だったらしいけど、わからないよ勝負の世界は。

将棋の資料ファイルを見ていたら、昭和六年の菊池寛と萩原淳六段(菊地が世話をしていた若手プロ棋士)戦(飛車落、菊地勝ち)と、昭和八年の幸田露伴と木村義雄八段(後十四世名人、実力制初代名人)戦(角落、木村勝ち)の棋譜が出て来た。露伴はまったくいいところなく敗れている。まあ当時六十七歳だから仕方ない。この菊池寛の将棋から考えれば、おそらく山口瞳といい勝負じゃないだろうか。
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by sumus_co | 2006-08-02 21:25 | 古書日録
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