六月十九日は桜桃忌、太宰治の忌日であり誕生日。
黒岩比佐子『日露戦争 勝利のあとの誤算』(文春新書、二〇〇五年)読了。日露戦争の勝利が日本を変えた、軍隊を、警察を、ジャーナリズムを、大学を、右翼と左翼を、そして民衆を。それがよ〜く分かる一冊。日比谷事件に絞っているだけに、その転換点における政治のカラクリがきわめて明瞭になっている。警官が抜刀して人を見れば斬りまくる、めくらめっぽう撃ちまくるイラクのアメリカ軍みたい。きれいはきたない、強い者は弱い。
『デスノート』第四巻読了。
みずのわ出版よりメールあり。海文堂書店でのトークショー詳細が決定した。高橋さんと、北村氏をゲストに神戸の古本屋について教えてもらうつもり。ぜひふるってご参加ください。
■神戸の古本力——林哲夫『文字力100』発刊記念トークショー開催。
2006年7月17日(月・祝)午後2時〜3時30分頃 於海文堂書店
トークショーに続いてサイン会。その後出版祝い。
《「文字力」というテーマを思いついたのは、京都・山崎書店でささやかな装幀展を開催し たときのこと。自作だけの展示では面白くない、好きな本も並べてみよう、そしてできる だけ文字が主役になっているような意匠に絞ってみよう、そういう主旨である。これが予 想以上に好評だったので、そのコレクションをベースとして新たに選び直したのが 『文字力100』に収めた100冊である。
それら100冊のうち99冊は古本として購入した。『文字力100』はいわば古本カタログな のである。だから「文字力」とは、言い換えれば「古本力」ということになる。
かつて筆者は十年ほど神戸に住んでいた。そのころに買った本もいくつか選んでいるけ れども、神戸を離れてすでに十年以上になる今日では、神戸の古本力がいったいどれくら いのものなのか、ほとんど見当がつかない。
そこでこの機会に、高橋輝次氏、北村知之氏という関西の古本屋に精通している新旧の 古本猛者二人を招き、ただいま現在の神戸および阪神間の古本事情を語ってもらおう、そ う思うのである。むろん、ご自慢の収穫も披露してもらうつもりである。
神戸の古本力、いかばかりや?
言い出しっぺの私自身、そのトークショーをワクワクしながら待っている。文字力、古 本力に興味のあるみなさん、ぜひご参加ください。(林哲夫)》
林 哲夫(はやし・てつお)
1955年香川県生まれ。画家。書物雑誌『sumus』編集人。1985〜95年神戸市に在住。 著書に『喫茶店の時代』(編集工房ノア)、『歸らざる風景』(みずのわ出版)他。
高橋輝次(たかはし・てるつぐ)
1946年伊勢市生まれ、神戸で育つ。協和銀行を経て創元社に入社。現在、フリー編集者。 著書に『関西古本探検』(右文書院)、『古本が古本を呼ぶ』(青弓社)他多数。
北村知之(きたむら・ともゆき)
1980年神戸生まれ、神戸在住。書店アルバイト。メルマガ「早稲田古本村通信」に 「チンキタ本バカ道中記」連載中。ブログ「エエジャナイカ」http://d.hatena.ne.jp/akaheru/
間村さんの装幀本。山猫軒にて。