林蘊蓄斎の文画な日々
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檸檬花の開きて鬼の棲む雑誌

『文字力100』の再校と表紙の色校訂正が届く。色はずっと好くなったのでオーケーとする。ここに書影を出したいのはやまやまなれど、UBCから戻るまで、少々お待ちいただきたい。ナベツマがひとこと、こう言った。
「モンドリアンみたい」

『季刊文科』34号(鳥影社)が届く。ウンチクの連載「ふるほん月下屋上帖」第一回が掲載されている。作品社版『梶井基次郎小説全集』を紹介した。この雑誌は編集長が大河内昭爾氏で、編集委員が、秋山駿、勝又浩、松本徹、松本道介、吉村昭。いかにも文学雑誌らしい文学雑誌である。そのせいか、寄稿者のなかでウンチクは、玄月氏、菊地幸見さんに次ぐ年少者(!)。巻頭の編集長インタビュー、今回は尾崎一雄と尾崎士郎の娘さんたち、お二人とも一枝さんである(旧姓=尾崎一枝)。
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web読書手帖に「とにかく長い書名ってあるもんだ」として平田オリザ

『十六歳のオリザの未だかつてためしのない勇気が到達した最後の点、到達しえた極限とを明らかにして、上々の首尾にいたった世界一周自転車旅行の冒険をしるす本』

(晩聲社刊)が取り上げられていた。ほう、たしかに長いが、すぐに思い出した例は、渡辺一夫訳の『パンタグリュエル占筮』(高桐書院、一九四七年)だ。解説によれば、この本の原題は以下の通り。

『生まれながら粗忽にして浮薄なる人々を裨益し教へ諭さむが為にパンタグリュエル王が莚司アルコフバス師の新編にかかる確実真正にして無謬なるパンタグリュエル永代占筮』
Pantagrueline Prognostication, certaine, veritable & infaillible pour l'an perpetuel. Nouvellement composée au prouffit & advisement de gens estourdis & musars de nature, Par maistre Alcofribas, architriclin dudict Pantagruel.
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こういうものはネットで検索してみるに限る。エクスナレッジから二〇〇一年に出ている高田七穂の本はこんなに長い。はっきり言って、これはタイトルというより惹句である。

『成功・失敗実例満載。購入した人にも納得の一冊 失敗・成功の事例を中心に、これほど詳しいマンション本はない。法律の落とし穴、質問の方法など1から10まで詳細に手ほどき。住んでから財産価値をあげるために読んでも役立つ。』

そして世界一となるとさらに長い。

『The Life and strange surprising Adventures of Robinson Crusoe, of York, mariner, who Lived Eight-and-twenty years all alone in an uninhabited Isiand on the Coast of America, near the mouth of the great River Oroonque, having been cast on shore by shipwreck, where-in all the men perished but himself. With an Account how he was at last strangely delivered by Pirates, Written by Himself.』

『ロビンソンクルーソー漂流記』である。ついでにひっかかった楽曲の世界一長いタイトルはフィオナ・アップルの

When The Pawn Hits The Conflicts He Thinks Like A King What He Knows Throws The Blows When He Goes To The Fight And He'll Win The Whole Thing 'Fore He Enters The Ring There's No Body To Batter When Your Mind Is Your Might So When You Go Solo, You Hold Your Own Hand And Remember That Depth Is The Greatest Of Heights And If You Know Where You Stand, Then You Know Where To Land And If You Fall It Won't Matter, Cuz You'll Know That You're Right.

である。長! ……でも邦題は「真実」、短!
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by sumus_co | 2006-05-24 17:51 | 渡邊一夫の本
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