林蘊蓄斎の文画な日々
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ふるほんに憑かれし都踊りかな

午前九時前に自宅を出て岡崎公園へ向かう。四条烏丸で地下鉄に乗り換え、烏丸御池でさらに乗り換え東山駅下車。九時半少し前に京都国立近代美術館に到着。

まずはフンデルトヴァッサー展を見る。初期のデッサンから水彩画などは、特別にすごいというところはない、ごくふつうの感じ。1960年代のあたりの仕事がいちばんいいようだ。材料はミクストメディア。テンペラのような質感も見えたが、ときには水彩画の上に油絵具で描くというような作品もあった。基本的には水性塗料をベースとする作家である。だから色彩は印刷物で見るより、ずっとシックで渋い。

常設展示。モンドリアンの小品。これは爽やかな作品で大好き。シュヴィッタースもいい。ショーケースに『MAVO』の1,2,3,5,6,7の六冊が展示されていた。『マロニエ』や『柳屋』も並んでいて、時代は変わったナ、と思う。

十時二分に勧業館の入り口に到着。ところがなんと入場制限をしている。開門前に並んでいた人たちを先に入れているのだが、蜿々と長蛇の列、入場に時間がかかっていたのだった。

とにかく端から順番に見て行く。均一コーナーがないのはいかにも淋しい。山本氏にまず逢う。「今日はなんにも買えんかもしれんなあ」などと弱気の発言あり。壁際をぐるりと見て歩き、キトラ文庫の安田さんに逢ったので、挨拶。『coto』次号の締め切り確認。

そのあと通りかかったのがそのキトラ文庫の棚、ここでやっと買えそうな一群の書物に出くわした。まずは『論集史学』(三省堂、一九四八年)、これは高橋錦吉の文字に違いないと思って購入。500円。詩誌『あいなめ』24号(あいなめ会、一九六八年十月)、表紙が駒井哲郎、金子光晴の長詩あり。200円。そして、本日のハイライト、西條八十『砂金』(尚文堂書店、一九二〇年五版)1500円を発見。少し傷んでいるが、まったく気にしない(この本は良く売れたそうで十八版を重ねたとか)。これで今日は終わったも同然。あとはぶらぶら。
b0081843_2033135.jpg

いろいろ顔見知りの人たちに逢う。気持ちが楽になると、本が見えてくるかんじで、数冊買うことができた。

そうそう、書肆砂の書さんに凄い話をいろいろ聞いた。ブログには書かないでくださいと釘をさされたので、省略。営業の方は順調とのこと。連休中はずっと店を開けているそうなので、ぜひどうぞ。

扉野夫妻、山本氏と桝富でそば定食を食べる。扉野夫妻は一箱古本市に参加していたそうだ。扉野氏より鉄塔書院の本を一冊わけてもらう。小林勇が経営していた出版社。勧業館の目録に井伏鱒二『田園記』(作品社)が3,000円で載っていたと聞かされて驚く。山本氏はすぐに電話したそうだが、注文が殺到という話だったとか。そらそうでしょ! 神田の某書店なら十数万円は付いている。

寺町で、ナベツマに頼まれていた桂月堂のロールケーキを買った後、アスタルテへ。『砂金』を見せると、「それ一冊で十分じゃないですか」と言われて、単純によろこぶ。
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by sumus_co | 2006-05-01 17:28 | 古書日録
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