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北野武

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『ユリイカ』四〇〇号(青土社、一九九八年二月二〇日)総特集=北野武そして/あるいはビートたけし、北野武『余生』(ロッキング・オン、二〇〇一年二月二五日)。前者は映画「HANA-BI」がヴェネチアでグランプリを穫った直後の山根貞男のインタビューが目玉。後者は渋谷陽一によるインタビューをたけしの語りとして構成したもの。

ユリイカには岡崎武志による「たけしと武のいる舗道 ビートたけし伝」が掲載されており、これがよく調べられた内容で、出版当時にも読んでいたはずだが、今再読してあらためて驚いている。この評伝のなかで印象に残るのは中学校の担任の回想。

《目立たないし、むしろ引っ込み思案な生徒だった。思い出すのに苦労するぐらい印象の希薄な生徒だった》

この点に関してたけし自身は自分を客観的に見つめるもうひとりの自分ということについて繰り返し言及しているのがその理由を教えてくれるような気がする。騒ぎの最中に冷めている自分。漫才ブームのときにも

《以外に二重人格的なとこあったね。要するに、自分にとっての一番いい客は自分で、一番批評的な客も自分だから、自分との闘いだったよね。「ヤバイなあ、こんなので喜んで、あんなネタやって」と思ってるし、「でもいいじゃねえか、売れたんだから」っていうのを自分自身でやってたね。》(『余生』)

このような心持ちだった。ここで言われている二重人格が、学校で目立たないということに通じるのかもしれない。

そしてさらに、たけしがいかに多くの言葉を費やして自分自身を語ってきたのかということについても、岡崎氏の伝記を読んでいると、正直驚かされる。個人的には新潮文庫の『浅草キッド』くらいしか知らないが、これほど自分自身のことを際限なく語る(あるいは映画や絵画でも同じかもしれない)というのは、もう表現の究極と見るしかないであろう。

ユリイカでは「ビート・キヨシ物語」も面白い。ツービートはもともとキヨシ(きよし)がたけしを誘って結成された。ある程度人気が出て大阪の漫才を見て来たたけしは相棒を替えたいと思ったようだ。しかし結局は自分一人で勝手に喋り倒すという手法をとった。ところが最初はそれが空回り。キヨシいわく。

《当時は相棒が早口で喋っているだけで、"間"なんかぜんぜんなかったと思いますよ。お客さんからよく言われたのは"お前たちの漫才聞いてると疲れるよ"って(笑)》

《ベラベラベラベラちょっと聞いていないと何喋ってんだかわからなくなっちゃうんだからコッチもさ。》

《僕はね、あのツービートの漫才のネタでは、一応お客さんと同じ立場にいたわけですよ。常識の側にね。》

たけしいわく。

《結局「だったらもっと一人喋りの究極に行っちゃえ」ってさ。「あれに対抗するためには俺一人でやる」って言って、もっと俺が一人で喋るようになったの。でも相棒は相変わらず酒飲んでるんだよ。「まあいいや、俺だけでやる」と思って。
 相棒は……分かってなかったよなあ。初めのうちはやたらネタ合わせもやったんだけど、忙しくなってきたらやんないから。相棒は俺に「好きなことを喋れ、じゃんじゃん突っ込むから」って言うんだけど、肝心なところで「そうそう」って言ってしまうんだよ。俺、落としてるのに。》(『余生』)

《そうすっと、相棒がそれを聞いて笑っちゃってるわけ、また。「お前は客か!」って。そういうネタがそのまんまテレビやなんかに出ていっちゃったね。そうすると、そういうネタもありになっちゃったから、今のお笑いみんなそっちに行っちゃったんじゃない?》(『余生』)

岡崎氏いわく

《そう考えると、きよしという存在はほかの誰でもよく、あるいは必要ない(あるいはいない方が武が生きる)じゃないかという議論が出てくるだろう。しかし、そこが漫才の不思議なところで、それなら、B&Bの洋七と組めばもっとおもしろくなるか、と言えば、実際にこのコンビで一度だけ漫才が行なわれているが、ツービート、B&Bの絶頂期に遠く及ばなかった。》(ビートたけし伝)

そういうものだろう。

ツービートと松田聖子のブレーク年のことをほとんど知らない。というのは、一九七九年末から八〇年末にかけてヨーロッパをうろうろしていたためである(ユリイカによればフジテレビ「ザ・MANZAI 1」が放映されたのが八〇年四月一日である。ここから当時の漫才ブームが巻き起こった)。帰国してみると、大騒ぎになっていたので「この人たち誰?」と不思議に思ったものだ。プチ浦島現象だった。
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by sumus_co | 2013-06-10 05:11 | 古書日録
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