洛東遺芳館で開催されている「墨画と浮世絵展」を見る。天気もよくて、暑くもなく寒くもなく、ちょうどいい散策日和。四条河原町から鴨川沿いに歩く。川端通り、五条の橋を過ぎて一本東側の問屋町通りを五条から少し下がったところに柏原家邸宅(洛東遺芳館)が見えてくる。柏原家の祖先は肥後熊本の出だそうで正保二年(一六四五)に当地に居を構え、小間物などを扱いながら成長して豪商となった。柏原家の江戸時代から伝承の品々を毎年春秋の二度公開しているという。
浮世絵では歌麿と北斎、国芳などが出ていた。こちらは北斎画の『潮来絶句集』二冊。
最近、とくに興味を抱いている水墨画では、文晁の屏風など大作もあったが、この展示ケースが気に入った。右から野呂介石、谷文晁、貫名海屋。
美術館の建物を出て、邸宅の方へ移動。玄関から応接間、控えの間、床の間、仏間、裏庭まで公開されており、いくつか屏風などが展示されている。ここでしばらく庭を眺めてぼんやりしているのは、なんとも気持ちがよかった。これだけの邸宅を管理するのはなかなか骨が折れるだろうなと思いつつ。
穴場というほどでもないかもしれないが、土曜日の午前中、来館者は小生一人だった。本展は五月五日まで。