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一穂灯光繙古書

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三島中洲が教えたのはむろん池田蘆洲だけではなかった。夏目漱石も明治十四年四月頃から十六年の七月頃まで二松学舎で学んでいる(漱石は熊本で長尾雨山からも教えを受けた、雨山は讃岐高松出身)。また大正天皇は明治二十九年十七歳のときに東宮侍講となった中洲から漢詩の作法を学び、大正六年までのおよそ二十年間に1367首を作ったとされる。

上の写真は明治三十七年沼津御用邸でのスナップ。右から皇太子嘉仁(大正天皇)、裕仁親王(昭和天皇)、淳宮(秩父宮)、侍従(『日録20世紀 1926』講談社、一九九八年より)

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こちらは『京都日日新聞』明治四十五年七月三十一日付。明治天皇崩御を伝える記事より大正天皇の肖像(『京都新聞の紙面に見る120年』京都新聞社、一九九九年)。

そして大正天皇の作品より「秋夜読書」。
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大正三年の作。宇野直人『漢詩をよむ』(NHK出版、二〇一二年)より。《江戸時代には読書の詩が多く詠ぜられ、特に菅茶山の「冬夜読書」は名高く、本詩もその影響を受けている》とのこと。古書というのはむろん漢詩集であろう。

ところで漢詩とは直接の関係ないかもしれないが「大正」という元号は易経から取られているそうだ。周易の易経の「臨」に

《剛浸而長。說而順,剛中而應,大亨以正,天之道也。至于八月有凶,消不久也。》

とあってこの《大亨以正》に由来するという。ただ易経「大畜」にはまさに「大正」という並びもある。《大畜,剛健篤實輝光,日新其德,剛上而尚賢。能止健,大正也。不家食吉,養賢也。利涉大川,應乎天也。》

明治の元号も周易の「說卦」に《聖人南面而聽天下,嚮明而治,蓋取諸此也。》とある「嚮明而治」からのようだ。
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by sumus_co | 2013-01-21 21:00 | 古書日録
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