渋谷区立松濤美術館で11月25日まで開催されている「古道具、その行き先 坂田和實の40年」という展覧会を楽しみにしていた。上京二日目、十月三日の午前中に何はともあれ出掛けたのである。午後はウィリムモリスに詰めるため動けるのは午前中だけ。予想通り(予想以上ではなかったが)すばらしいオブジェだった。この美術館は展示のしづらい、ある意味見づらい空間・壁面なのだが、かなり工夫して飾り付けてあったように思う。二階展示壁のグレーの張り布があまりにオブジェとぴったりだったので、思わず衛士のおばさんに「これは坂田さんが張ったんですか?」と問いかけてしまった。「開館当初からこの布でございます。何にでもよく合いますのよ、ほほほほ」とのお答え、知らなかった。
渋谷はこれから大きく変貌するようだ。あの有名なスクランブル交差点が地下(?)になってしまう(というか道玄坂と宮益坂の間に蓋をする)らしい(人づてに聞いただけですので、間違ってたらごめんなさい)。ハチ、何思う。
高級住宅地にある松濤美術館の外観。どれくらい高級かというと、大型の黒いベンツがガーッと曲がってきて停まり、降りてきた若い女性が反対側に停まっていた真白のアウディに乗り換えてサーッと走り去る光景がさまになるくらい。ベンツは乗り捨てられた……、わけではなくアウディに乗っていた男性が乗り込んでました。
坂田和實を見た後だと、何でも古美術ふうなオブジェに見えてしまう。