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カルモチン

b0081843_20301589.jpg

しばらくぶりのオフということで、まずは京都文化博物館で平清盛展を見る。出品されている絵画の多くは江戸期のものだった(江戸期には源氏物語と同様に平家物語も人気があった証拠だろうか)、平安時代のものは一部の消息や陶磁器などに限られた。なかでは、やはり平家納経は見ておく価値がある。装飾過多とも思えるテキスト面そのものもキラキラしてまぶしいけれど、その留め金具や打紐などの細工がまた見事だった。

そこから寺町の尚学堂へ。古絵葉書が詰まった函をかきまわしていると黄色い小箱が目についた。「ブロムワレリル尿素錠 1号 カルモチン錠」とある。昨日の記事に関連してくるが、カルモチンと言えば、芥川龍之介や金子みすゞ、太宰治が自殺に用いた薬としてよく耳にする睡眠薬ではないか。

 ブロムワレリル尿素錠
 1号
 カルモチン錠
 「タケダ」
 鎮静催眠剤
 1錠中日本薬局方ブロム
 ワレリル尿素0.1gを含有
 製造発売元武田薬品工業株式会社
 大阪市東区道修町2丁目27番地
 [用法]
 鎮静剤として一回二〜三錠宛一日三回服用
 催眠剤として一回五〜八錠を温湯にて頓服

《ブロムワレリル尿素(ブロバリン,bromisovalum,α-bromoisovalerylurea,bromvalerylurea)は,古くから催眠鎮静剤として用いられており,医療薬として処方されるだけでなく,催眠鎮静薬や解熱鎮痛薬,鎮うん薬の成分として配合され,一般薬(OTC薬)としても販売されている.入手の容易さから,現在,ブロムワレリル尿素による中毒は,わが国の代表的な薬物中毒の一つである.
 (財)日本中毒情報センターへの問い合わせ件数は,2000年に76件1),2001年に70件2),科学警察研究所資料3)による中毒死者数は,1999年に37人,2000年に42人(多剤同時摂取を含む)となっている.》(日本中毒学会HPより)

ブロバリンは商品名。他にリスロンS、カルモチン(武田薬品工業・販売中止)、ウットなどがある。つげ義春は1962年にブロバリンを用いて自殺を図ったが、未遂に終わった。

昭和レトロ商品博物館・太宰治とカルモチン
http://www.lifeshot.jp/1179949321/photos/1199890683/

そこから南下しメリーゴーランドで空中線書局の展示を見た。このとき、みなみさんと遭遇。徳正寺へ行くというので「案内しますよ」と先導したはいいが、道を間違えて行きすぎてしまった。冷や汗。

b0081843_2015578.jpg

徳正寺の本堂には、稲垣足穂の全著作、遺品(眼鏡、ハンコ、クレヨン、色鉛筆など)、色紙や絵画作品が並べられていた。タルホの絵はなんともオシャレだ。色が美しい。何人かの顔見知りの方々にお会いする。林海象上映会は失礼して、はんのきへ。ダンデライオン氏が店番中。夏場から秋にかけてのいくつかの古本イベントについて情報を得た。なかなか面白そうだ。本日、気温高く、雨模様でむしむしとした一日だったが、楽しい半日を過ごせた。
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by sumus_co | 2012-06-30 20:38 | 古書日録
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