季村敏夫『豆手帖から』(書肆山田、二〇一二年)を読了。昨年から今年にかけて精力的に活動されている季村さんの心の動きがまざまざと読み取れる。そこ、ここ、かつて、いま、ジグザグと棘を抜いている。東北の地震はもちろん『海炭市叙景』との再会も季村さんを強く揺り動かしたようだ。個人的に好きな詩を一篇スキャンしてみた。「枯葉を拾う」
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新潟でお世話になった鈴木良一さんの詩集『あやかしの野師』(玄文社、二〇一二年六月一〇日)も頂戴した。《本の作りは、新潟では上出来だと考えています。その辺も含めて、考えを教えて下さい》とメモにあった。その通りに組版も印刷もたしかに安心感のある出来上がりだと思う。やや饒舌な作品群にも鈴木さんの人となりがそのまま現れているのではないか、鈴木さんがそこに立っているような気がしてくる。