「大辻清司フォトアーカイブ 写真家と同時代芸術の軌跡1940-1980」図録。六月二十三日(土)まで
武蔵野美術大学美術館展示室2で開催中である(
大辻清司フォトアーカイブ ちらし)。大辻清司は写真家。一九二三年東京府南葛飾郡大島町(現・江東区大島)に生まれ、二〇〇一年渋谷区上原の自宅で死去している。半世紀にわたって蓄積された大辻のアーカイブ資料が、二〇〇八年、武蔵美に寄贈された。その整理の成果を展示しているそうだ。
一九三〇年代から四〇年代初めにかけて撮影された写真が貼られたアルバム。要するに戦前の大辻十代の写真だ。モダニズムというのかアヴァンギャルドというのか、晩年まで通底する志向がすでに自覚されている。
一九六六年の武満徹。下段は有名な写真だが上の作品がよりリアル。芸術家の周辺をたくさん撮っており、佐野繁次郎も『美術手帖』の記事のために撮っている(この図録には掲載されていないが)。
土方巽と大野慶一の「禁色」稽古風景より。一九五九年。
「なにか詰まっているガラス瓶」一九七五年。これはシビレル作品。
『アサヒグラフ』一九五三年二月四日号、「A・P・N=あぷん」欄。右上の写真が大辻清司のもの(北代省三の立体を撮影)。おお! 大辻とはまったく関係ないが、花森安治の大きな顔が載っているではないか。花森が「最小世論調査」の質問者となっている。内容は学校の制服の是非について。読者からの回答にかなりの落差があって面白い。全体から見れば制服推奨および容認派の方が多かったようだ。
「花森安治著述&主要関連文献リスト」には挙っていない。著述というほどでもないか。