『扶桑書房古書目録』第一号(発行年等記載なし)近代文学雑誌特集。次に掲げる第二号が昭和五十年春なのでそれ以前、昭和四十九年中の発行と考えておく。
石神井書林の目録を紹介したときに雑誌の掲載が少ないと書いたが、扶桑さんは第一号の時点から雑誌を重視していたことが分かる。
『扶桑書房古書目録』第二号(一九七五年春)第二近代文学雑誌特集。矢代書店の
『詩人』全六冊完揃が一二〇〇〇。今なら即注文だが、これは評価が高いと思う。パッと目についたのでは『ドノゴトンカ』十六冊(不揃い)一六〇〇〇などというのもある。巻末の文章より。
《本号と前号とを合わせて約六百八十点の雑誌が収録されております。何点かの珍しいもの、長期間、刊行されたもの、戦後雑誌についても出来るだけの収集を心掛けた結果がこれらの目録となりました。内容が貧弱なこと、本文が不完全なことは云うまでもありません。が、二つの目録が少しでも書誌として役立つ様にと配慮をいたしました。書影を多くすること、創刊、終刊、刊行所、執筆者等を出来るだけ書くことなどです。これらのことは二回の特集だけでは不充分でしょうが、数回の雑誌特集を重ねることによっては書誌としての使命を果たせたらと思っております。》