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詩本草

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柏木如亭『詩本草』(揖斐高校注、岩波文庫、二〇〇六年八月一七日、カバー=中野達彦)。漢文で書かれた食味エッセイ。旧友葛西因是は如亭の人となりをこう記しているという。

《山人、吟詠書画を沽(う)る。唯だ価の高からざるを恐るるのみ。得る所の潤筆は尽くこれを揮ひ、狭斜に噉啖(たんたん)す。魚肉は大塊を嚼(か)むにあらざれば飽かず。風月の遊びは老いて少壮に減ぜず。衣服は斬新にして務めて時世を逐ふ。酒を嗜まずと雖も、好んで嫖客歌娼と混坐し、時々戯劇打諢(ぎげきだこん)の語を作す。》(日暮里養福寺に建てられた柏山人碑文より、原漢文)

食べることと女性が好きだった、最新流行のファッションも。酒は飲めなかったが酒席は好きだった。とくに魚を好んだようで魚類に関する経験談と蘊蓄を盛り込んだ文章が多い。個人的に注目したのは、茶粥の仕立て方についての記述である。「44 魚飯その一」

《茗粥之法、濃煎下品之茶、撇棄茶葉、取汁移鐺、下塩少許、投米烹之。待熟傾入篩中、再以茶汁滌之四五度、盛椀、澆上品茶而食。余近伝此法亦足以養老也。非止于其香其色精妙、冬日可以禦寒、夏天可以敗暑、適口果腹。勝双弓米遠甚笥矣。》

安物の茶を濃く淹し、その汁に塩を少し足して米を煮る。煮えたらザルに入れて茶汁でよく洗う。お椀に盛って上等なお茶をそそいで食べる。ということだが、これは以前紹介した東大寺の「あげ茶」に似た作り方ではないかと思う。

京のぶぶ漬
http://sumus.exblog.jp/16424432/

江戸時代の京の食味が紹介されている「38 京の名品」という一篇も参考になる。難しい漢字が多くて引き写すのが面倒なのでテキストは下記サイトを参照されたし。

髭鬚髯散人之廬 京都の名産品を殫見洽聞しよう=柏木如亭「詩本草」
http://rienmei.blog20.fc2.com/blog-entry-34.html

ただし、これは柏木如亭の京贔屓の引倒しに近いものがあろう。揖斐高の註には滝沢馬琴の紀行随筆『羇旅漫録』に見える京の食味に対するコメントが引用され《食味評論家として、馬琴は如亭に伍することはできないが》と書かれているけれども、さて、それはどうだろう? 以下『羇旅漫録』より「七十六 京地の酒樓」。

《○生洲は高瀬川をまへにあてたれば。夏はすゞし。柏屋松源などはやる。柏屋は先斗町にも出店あり。松源近年客多し。こゝにて鰻鱧。あらひ鯉名物といふ。魚類は若狹より來る鹽小鯛鹽あはび。近江よりもてくる鯉鮒。大坂より來る魚類。なつは多く腐敗す。鰻鱧は若狹より來るもの多し。しかれども油つよく。江戸前にはおとれり。鮎鮠は加茂川にてとるもの疲て骨こはし。鮠はよし。若狹の燒鮎よしといへども。岐阜ながら川の年魚などくふたる所の口にては中/\味なし。鯉のこくせうも白味噌なり。赤味噌はなし。白味噌といふもの鹽氣うすく甘ッたるくしてくらふへからず。田樂へもこの白味噌をつけるゆゑ江戸人の口には食ひがたし。鰻鱧は大平などへもる。小串は燒て玉子とぢにもせり。大魚の燒物は必片身なり。皿の下になる方の身はそきてとり。外の料理につかふこと大坂も又かくのごとし。京は魚類に乏しき土地なればさもあるべし。大坂にて片身の濱燒なと出すこといかにぞや。是おのづから費をはぶく人氣のしからしむるもの歟。京にて味よきもの。麸。湯波。芋。水菜。うどんのみ。その餘は江戸人の口にあはず。

○祇園豆腐は。眞崎の田樂に及ず。南禪寺豆腐は。江戸のあわ雪にもおとれり。しかれども店上廣くして。いく間にもしきり。その奇麗なることは江戸の及ぶところにあらず。すべて京の茶店は。四方一間位づゝにしきり。左右にすたれをさげたり〈名古屋の七ツ寺の酒店もこれをまなべり、〉

○祇園に孔雀茶屋あり。もろ/\の名鳥多し。〈名古やの若宮八幡前近年孔雀茶屋を出せり、〉

○大佛餅は。江戸の羽二重もちに似て餡をうちにつゝめり。味ひ甚た佳なり。ういろうちまきといふものは。黒砂糖製にて。よからず。その外安ものは。挽米のやきもちなり。上菓子はよしといへども價大に尊し。》(壬戌羇旅漫録

馬琴に一票である。
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by sumus_co | 2012-04-12 11:49 | 京のお茶漬け
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