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装幀台湾

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台湾のお土産を頂戴した。李志銘作品集1『装幀台湾ーー台湾現代書籍設計的誕生』(聯経、二〇一一年一二月、封面設計=荘謹銘)。漢文は読もうと思えば読めないことはないが、図版を眺めているだけで一九二〇年代から六〇年代までの台湾における文学関係の単行本や雑誌の装幀の流れがおおよそ見て取れる。巻末に装幀の関連年譜も付されている。

裝幀台灣:台灣現代書籍設計的誕生(ハードカバー版)
http://butterflybooks.jp/modules/items/index.php?content_id=801

戦前では日本人画家の表紙(封面)が多く取り上げられており、『台湾時報』の石川欽一郎、市川泰助、『民族台湾』『媽祖』『文芸台湾』の立石鐵臣(上の表紙画も大阪屋号書店『台湾文学集』から立石作)、西川満、他には宮田弥太郎、塩月桃甫、佐山融吉、大西吉寿などの名前が出ている。

そのなかに桑田喜好という名前を見つけてビックリ! 『華麗島』創刊号(台湾詩人協会、一九三九年)の封面設計を担当している。おそらく小生が一九八〇年代の初めに住んでいた京都のあるアパートの大家さん、その人であろう。とてもよくしていただき、桑田さん宅にも何度も招いていただいた。奥さんとお嬢さんと三人で暮らしておられた。妻によれば奥さんから台湾時代の話を聞かせてもらったことがあるそうだ。

検索してみると台湾の画廊のサイトなどがヒットした。台湾画壇ではそれなりの歴史的位置が与えられているようだ。とてもおだやかな方で、知り合った時期にはパリの風景画などを描いておられた。本も好きだとおっしゃっておられ、その画風とはあまり直接関係のないマックス・エルンストのコラージュ画集などを見せていただいた記憶があるが、いまになって以下のような文章を見つけ、なるほどなあ、人に歴史ありだなあ、とつくづく思った。かつては「超現実派の代表」だったのだ。

《新生代の桑田喜好は超現実派の代表であり、彼は時代精神が非常に重要で、鍵は技巧にあると考えていて、絵画の新時代を形成するためには、ぜひとも斬新な技巧で斬新な精神を伝達すべきだとした。》(台湾美術史の「潮流」源流

一九八六年に神戸へ転居したため徐々に疎遠になった。一九九一年に亡くなられている。存じ上げなかった。遅ればせながらご冥福をお祈りする。
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王白淵詩集『茨の道』(久保庄書店、一九三一年、封面設計=王白淵)。
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『劇場』(劇場雑誌社、一九六五〜六七年、封面設計=黄成(黄華成))。表紙と文字組に工夫を凝らした標題設計の例。《黄華成可謂戦後台湾掀起平面文字設計革命概念的第一人》。日本で言えば粟津潔を連想させるような存在だ。
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それにしても驚きもあり、知らない世界だけにとても新鮮な一冊だった。これで台湾の古本屋巡りも楽しくなるというもの(予定はありませんけど)。

そうそう台湾の古本屋と言えば、「ウロボロスの回転」さんに古ツア・レポートが載っている。改めて読んでみると、ちゃあんと本書を買い求めておられる。さすがです。

《ここで李志銘『装幀時代 台灣絶版書衣風景』(行人、2010年)を購う。古本ではなかったので、480元也。戦後台湾の装幀家8人の仕事が、豊富な書影とともにまとめられていて、興味深い。序文によると、この著者は、台湾の古書業界の歴史をまとめた『半世紀舊書回味』という本も書いていて、こっちも面白そうだ。》

蠹魚的台灣小旅行 台北篇
http://d.hatena.ne.jp/uroburo/20110926/p1
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by sumus_co | 2012-01-10 21:42 | おすすめ本棚
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