ようやっとのことで
姫路・風羅堂を訪ねることができた。JR姫路駅から姫路城に向かって一直線にのびる大手筋、それと平行して走る御幸通り(これがメインの商店街)、そのもう一本裏手に「おみぞ筋」がある。御幸通りよりもぐっと狭いけれど新風を感じさせる店舗が連なっている。その一角に書肆風羅堂も堂々たる店を構えていた。予想以上に立派なので驚いた。
店主で詩人でもある大西さんと会うのはかなり久しぶりのような気がする。小生のなかではその容貌はほとんど変っていない。本人は否定するが、客あしらいも堂に入ったもの。二十年くらい古本屋をやっているような風格さえ感じさせた。
またスタッフの中居真麻(なかい・まあさ=本名)さんがキュート。第6回日本ラブストーリー大賞大賞受賞という新鋭作家でもある。店内のイラストやポスターも彼女が描く。それが素人芸ではないなと思ったら、京都精華大学で版画を学んでいたそうだ。いやあ、大西さんと同世代(小生が一歳若い)のおじさんのひとりとしては、羨ましい限りの環境だ。
肝心の本はどうなんだと言われると、やはり詩集コーナーが充実していた。全体にまだ読書人の書斎ふうな「うぶ」な感じが残っていて古書店らしさの少ないところが気持ちいい。ただしそれと比例するかのように値段が付いていない本が散見される。いずれ改善されるとは思うが、売らないと言っているのも同様で何となくもったいない。「北園克衛はないの?」と尋ねると「みんな売れてもた、安かったんかなあ」とのこと。ならば、また仕入れればよろし。兵庫の市場はもちろん、東京の市会にも毎月出かける予定だとか。やる気満々だ。がんばれ。
店内中央の書棚を移動させてコンサートやトークショーを行っている。10月22日(土)には19時より自主映画上映会「シネマ窟 vol.1」、10月29日(土)19時開場で「ガンディ」+「ゑでぃ」組合せライブ(問合せ=075-281-6040)。友部正人コンサートも近々予定という。岡崎武志トークショーもやりたいそうですよ。