義母から譲ってもらった木造の彫刻。たしか誰かにアフリカ土産として貰ったものと聞いたように思う。PCの周辺を写した写真にときどき登場しているのでお気付きの方もおられよう。
背面に「MADE IN TANZANIA」のシールがある。時代的にはおそらく一九七〇〜八〇年代か(土産を貰う時期ということで)。一般にマコンデ彫刻と呼ばれるものらしいが、現在ではアート作品としてまた土産物としてさまざまなスタイルで制作されているらしい。材は黒檀だという。
今ざっと検索しただけではこれとそっくりな像は見つからなかったが、似ているものはいくつかあった。現在の主流はもっとシュールレアリスティックな、あるいはマンガっぽいキテレツな作風である。これは縦に引き延ばされていながらもリアルさを失っていない。この顔にそっくりの日本人の知り合いがいて、あの人の祖先はタンザニアかと思ったりしたほどである。
こちらは Twins Seven Seven「Nigerian Beat」(King Record, 1991)のCD。アフリカつながりというだけのこと。ある古本屋で何か買おうと思って粘りに粘った末に、何もなくてこのCDを買った。それ以来けっこう頻繁に聴いている一枚。
トゥインズ・セヴン・セヴン(Prince Taiwo Olaniyi Oyewale-Toyeje Oyelale Osuntoki)は一九四四年ナイジェリアに生まれて、まず美術家として知られたそうだ。
《その一方で、トゥインズ・セブン・セブンは、ファーマーであり、かつてはボクサーで、サッカープレーヤーでもあった。そして、政治家であり、カーキチ・スピード狂がわざわいした1982年12月の交通事故で大腿骨折をするまでは、素晴しいダンサーでもあった。そして自作自演のミュージシャンであったし、いまもある。》(川田順造「解説」)
驚くべきマルチ・タレントぶりだ。ネット検索してみると、今年二〇一一年六月一六日に亡くなっている。彼の美術作品は独特ではあるが、あまり好きになれない。ミュージックの方がいい。
『L'Art de l'Afrique occidentale』(Union Générale Éditions, 1967)。この表紙はナイジェリア西部で十三世紀頃に制作されたブロンズ像、高さ24センチ、イフェ考古博物館所蔵。十三世紀というと日本は鎌倉時代か。このリアリズムはアフリカ彫刻のなかでは際立っているように思う。
もうひとつ、アフリカの地図を出してお勉強、といってもこれは明治二十七年(一八九四)の『萬國地理初歩巻之下』(集英堂)。アルチュール・ランボオが地中海沿岸からアビシニアあたりを奔走していた時代の勢力図である。
タンザニアは東海岸、この地図ではザンジバルと書かれている「ジバル」のあたり(もうすこし内陸まで)。例のキリマンジャロ山がある。ナイジェリアは中西部、「ギ子ア灣」(ギニア湾)へニジェール川とベヌエ川が流れ込んでいるデルタを中心とした地域になる。