林蘊蓄斎の文画な日々
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縮刷 夏目漱石

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段ボール箱整理をしていると漱石の縮刷だけを集めた一箱を見つけた。かつては何度も何度も絵に描いていたのだが、ちょっと描きすぎたような気がしてしばらくお蔵入りにしておいた。重版ばかりで傷みもはげしいけれど絵にするという目で見るとその疲れ工合にそそられるのである。装幀はおおむね津田青楓で(『猫』は中村不折、『こころ』は漱石自装)、見返しや扉などに愛らしい木版画が添えられている。

手前『吾輩は猫である』大倉書店、一九二六年一一月二〇日百二十二版(初版一九一一年)、奥同じく一九二〇年五月二〇日百六十五版。前者には「1,000」という値段が街の草さんの字で書かれている。今ならパスしたろう。
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『こころ』岩波書店、一九二四年七月一日四十四版(初版一九一四年)。箱の平には篆体(?)で『心』(でしょうね)、背には楷書体で『心』、表紙の平には楷書体で『心』背には『こゝろ』、序文では『心』、本文巻頭および柱には『こころ』、奥付にはタイトルは記載されておらず、最終頁の出版広告には『こゝろ』とある。さていったいどれが本当のタイトルなのでしょう?
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『道草』岩波書店、一九二〇年五月二〇日二十八版(初版一九一四年)。『こころ』とともに何度も描いた一冊。
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『硝子戸の中』岩波書店、一九一七年九月二〇日九版(初版一九一五年)。
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左『草合』春陽堂、一九一八年一二月二五日九版(初版一九一六年)、五〇〇円。右『行人』大倉書店、一九二〇年三月二〇日十五版(初版一九一六年)。
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左『文学評論』大倉書店、一九一七年一二月二五日三版(初版一九一七年)、五〇〇円。右『行人』岩波書店、一九二〇年二月五日二十七版(初版一九一七年)。
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手前左『岩波文庫版漱石全集(13)』岩波書店、一九五〇年二月五日、五〇〇円。手前右『鶉籠』春陽堂、一九二四年二月五日二十五版(初版一九一七年)。
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『門』春陽堂、一九二四年六月一五日二十二版(初版一九一五年)。
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『三四郎 それから 門』春陽堂、一九二一年三月一五日五十一版(初版一九一四年)。
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『漾虚集』大倉書店、一九一九年五月一五日七版(初版一九一七年)。
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左より『夢十夜』春陽堂、一九一九年一二月三日二十五版(初版一九一五年)。『草枕』春陽堂、一九二〇年五月一五日四十三版(初版一九一四年)、三〇〇円。『思ひ出す事など』春陽堂、一九二〇年七月二五日二十五版(初版一九一五年)。『夢十夜』春陽堂、一九二五年一二月二五日九十四版(初版一九一五年)。
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アールヌーヴォ(『猫』はまさに)と表現主義の谷間のような時代において津田青楓は独自の装飾性豊かな世界を展開しているように思う。
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by sumus_co | 2011-08-27 21:00 | 古書日録
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