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臭い飯2

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「東都田中本店製 郵便はかき」。大正時代後期か。切手面の真ん中にペンで「美就」と書かれている(旧所有者が書き込んだものだろう)。この女性の名前と考えていいのだろうか? 洋書(?)を両手で挟んで、左手薬指にはリングが見える。素人とは思えないが、どうなのだろうか。美人絵葉書には「萬龍」とか「照葉」といった実在した売れっ子芸妓のシリーズがあって、それらにはかなり頻繁にお目にかかる(画像検索してみてください)。個人的には、この女性の方が好みである。

  *

臭い飯について書いたせいか、整理中にたまたま開いた頁から、そんな話題が飛び出してきた。文庫本を50円均一で放出しようかと選んでいたとき。児島㐮『東京裁判』上下(中公文庫、一九八二年)はどうしようかなあ〜とペラペラめくりながら考えていたら、こんなことが書いてあった。

《「いや、びっくりしたね。すごいご馳走なんだな。当時、日本には砂糖はない、肉はない。ところが、横浜刑務所につれていかれた日の朝、すぐ朝食だというんだが、ホットケーキは何枚でも食べろ、蜜もたっぷりかけろ、ハムエッグも出るし、コーヒーは飯ごうでお代りをくれる。おまけにデザートにモモの缶詰ときた。それが、その日だけじゃない。毎日なんだな。なんでわれわれを優遇するのかと思ったが、優遇じゃないだな。二十人ぐらいだから、別扱いも面倒なので、米軍の兵食をだしただけなんだが、それがそういうご馳走だったんだな。
 〝天皇陛下でも、いまではこんなものを食べておられないだろうな〟と、まあ冗談だが、ボクら、そういって、たらふく肉や砂糖を食っていたよ」》

これは東条大将とともに第一次逮捕された賀屋興宣元蔵相の回想(上巻、p68)。一同は昭和二十年十月五日にホテルのような横浜刑務所から大森の旧陸軍捕虜収容所へ移された。大森収容所は木造バラックで給与も日本側のまかないである。

《食事は、一般国民と同じ配給食になった。おかげで、横浜時代とはうって変って、「しょっちゅう腐ったような魚がでてきた」が、缶詰、ホットケーキ、コーヒーなどが別に支給され、差入れも自由だった。》《肥満体の賀屋元蔵相も、体重を減らさず、血色もおとろえさせずに、すごせた。》

まあ、なんとものんきな(言語道断な)話ではある。

ところで、お返しというわけでもないだろうが、日本で服役した米兵に提供される食事は他の受刑者に較べて格段に優遇されている。

《平均的メニューは、毎夕食にステーキなどのメーンデッシュに付け合わせのマッシュポテト、サラダ、スープが出るほか、果物、アップルパイ、ケーキといったデザートもつく。朝はフレンチトーストなどのパン類に加え、卵料理、コーンフレークなどが出る。3食ともコーヒーつき。調理は、刑務作業として米兵自身が行っている。》

米軍差し入れの食材をも用いて米兵が作るということらしい。摂取カロリーは日本人受刑者平均が2800キロカロリーに対して米兵は4000キロカロリー程度になるという(以上は朝日新聞二〇〇二年一〇月一一日号による。それ以後も変っていないようだ)。法務省によれば、特別メニューは地位協定に基づく一九五三年の合意によるものだそうだ。やっぱり恩返しでしょう。

  *

ムッシュKのフランス便り
http://monsieurk.exblog.jp/

フランスをより身近に知ることができるブログが始まった。トゥールーズ発。トゥールーズは残念ながらまだ足を踏み入れたことはないが、

《この街の特徴はなんといっても建物の色です。壁や屋根は赤やオレンジ色のレンガでつくられており、街全体が赤く染まり、「バラのまち(ville rose)」と呼ばれます。建築資材として最初にレンガを用いたのは紀元前1世紀頃のローマ人で、サン・ジャック広場のローマ時代の城壁跡にこの時のレンガが残っています。トゥールーズ近郊には適当な大きさの石材が見つからず、それを遠くから運んでくるのには多くの費用がかかるため、土を焼き固めたレンガが用いられるようになったということです。》

などと書いてあるのを読むと一度は行ってみたくなる。
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by sumus_co | 2011-07-05 19:56 | 古書日録
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