ジャック・プレヴェール『シャンソン』(Editions Gallimard, 1989)。「LIVRE LETTRE」シリーズ。タテ19cm×ヨコ10cmと封筒にすっぽり納まる判型。遊び紙も数えて三十二ページ、袖を折り返した表紙がついているだけ。LIVRE(本) LETTRE(手紙)というだけのことはある。内容はプレヴェールの代表作『パロール』(
『ことばたち』高畑勲訳)から七作収録。
・Barbara
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・Je suis comme je suis
・L'orgue de barbarie
・Chanson des escargots qui vont à l'enterrement
・La pêche à la baleine
・Inventaire
・Et la fête continue
表紙画・挿絵はオノレ(
Honoré)。
LIVRE(本) LETTRE(手紙)のひと工夫はこの扉の前の紙に印刷された献辞のための記入欄。「この本便りは〜から〜へ贈られる 日付」。フランスではこういう献辞(もう少し詳しいが)をラテン語でエクス・ドーノ(
Petite Histoire des ex-dono.)と呼ぶらしい。何かの記念日に(聖体拝受、結婚など)、あるいは単なるカドーとして本を贈る場合にその旨をしたためておくのである。
「LIVRE LETTRE」シリーズ、シャンソンではゲーンズブール、ジョルジュ・ブラッサンス、ボリス・ヴィアン、ジャック・ブレル、その他のメッセージではアポリネール、アンデルセン、カイヤーム、キップリング、シャルル・ペロー。薄くて、封筒サイズだというのがミソ。何の記念にどの本を贈るのかがヒネリどころ。この表紙はコウノトリがプレヴェールを運んでいる。まさか出産祝い。この手の本、日本にもあったかな?