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日本美術展覧会

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『Exposition d'Art Japonais 日本美術展覧会 巴里大正十一年』(éditions de l'Abeille d'Or, 1922)カタログ。日本でいえば日展(帝展?)みたいなフランスの展覧会ル・サロン(Le Salon de La Société nationale des beaux-arts)が開催した日本美術の特別展(一九二二年四月二〇日〜六月三〇日)。巻頭には後援者としてレイモン・ポアンカレ(首相、外務大臣)、レオン・ベラール(美術教育大臣)そして駐仏日本大使石井子爵(石井菊次郎)の名前が掲げられている。

内容としては日本画(紙または絹に描かれた絵画)、油絵、彫刻、装飾美術(陶磁器、染織、金工、漆)、古美術(絵画、装飾美術=金工・染織・漆)のジャンルにわたり四三六点(カタログ番号による)が出品されていたようだ。第一次世界大戦後間もないことからして日本美術セールスの一面もあったかもしれない。

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個人的には油彩画の出品者が気になる。フジタや石井柏亭もむろん出ているが、図版として掲げられているなかには中村彝「盲目のロシア詩人の肖像」(エロシェンコの肖像)、金山平三「白菊」、岡田三郎助「肖像」などとともに岸田劉生「子供の肖像」(童女像=麗子花持てる)があった(となりの和服の女性像は片多徳郎「芸者の踊り」)。劉生のこの作品について、少し古い資料だが『岸田劉生展』図録(朝日新聞社、一九七九年)で調べてみると、展覧会の出品歴が

1921年 第3回帝国美術院展
1938年 岸田劉生十周忌回顧展覧会
[以下略]

となっており『巴里日本美術展覧会』は記載されていない。当然、文献も『中央美術』一九二一年一一月号口絵の次は『岸田劉生』(アトリエ社、一九四一年)で、本カタログは載っていない。おそらく現在は追加訂正されているだろうと思う(目下「日本の古本屋」に一冊出品されている。パリの古本屋にも一冊は出ているようだ。パリの方がずっと安い)。

岸田劉生集 劉生を集めるイタリア大使
http://sumus.exblog.jp/13282860

日本画の方はさほど詳しくないので措いておくが、古画の部で図版を見ると、狩野派、琳派、肉筆浮世絵などとともに「JAKUCHU ITO」(伊藤若冲)の鶏、雁、鯉、三点掲載(目録では二点の扱い)されていて目を引く。誰がこの扱いをしたかはともかく当時から若冲はそれなりの評価を受けていたようだ。

また、染織では京都の作家が並ぶ(現存作家は住所も明記されている)。龍村平蔵、小川善三郎、喜多川平八、川島甚兵衛、TAKAGI Kamekichi、YAMADA Kuzo。

大正時代だとしても、これが日本の美術として紹介されて妥当なのかどうか、ちょっと判断しかねるが、帝展中心ならこんなところであろうか。ル・サロン出品作がフランス美術の代表だとしたら、日本人もきっと物足りなく思うだろうし。

  *

『股旅堂古書目録5』が届いた。戦前〜現代の性風俗資料、及その周辺文化。いやあ、これはまいった。いつもながら凄い。羽良多平吉装幀の『HEAVEN』九冊揃いというのが目に飛び込んできた。これはシビレル。値段にもシビレタ。

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by sumus_co | 2011-06-05 20:40 | 古書日録
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