林蘊蓄斎の文画な日々
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絵のある岩波文庫 6月12日ジュンク堂大阪本店トーク

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岩波文庫はたぶん三百冊に足りないか、その程度しかもっていないような気がする(数えたことなし)。そのなかで絵のある岩波文庫がどれほどあるのか、今、ざっと探して四十冊に満たない。坂崎重盛さんが取り上げておられるだけでも八十タイトル以上あるし、紹介されていない絵入り岩波文庫も含めてコレクションは約百九十冊とか。ふ〜む、とにかく『「絵のある」岩波文庫への招待』を再読三読しておかなくては!

せっかく絵入岩波文庫を探したついでに十点ほど気に入りの挿絵をアップしてみよう。まずは一茶『おらが春 我春集』(一九二七年)より。これは『岩波文庫総目録』の一番最初に出ているタイトル。昭和二年七月十日に二十二冊刊行されたうちの一冊である。岩波文庫のっけから絵のある本を出していた。絵は一茶の自筆。
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坂崎さんも本文で取り上げておられるサッカレ『床屋コックスの日記・馬丁粋語録』(平井呈一訳、一九五一年)より。サッカレ自身の筆になる挿絵二葉のうちの一点。
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『唐宋伝奇集(上)』(今村与志雄訳、一九八八年)より「南柯一夢」。主人公が寝入っている図だが、本文の描写とは少し違う。頭の上から(首筋から)線が出てラッパのように広がっているのは中国のイラストレーションにおける夢見の描き方(日本でも摸倣されている)。
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吉田光由『塵劫記』(一九九八年八刷)より「目付字」。数学遊びの本なのだが、挿絵や図がたっぷり入っていて見飽きない。「目付字」については本書を参照されたし。暗号の一種らしい。
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申叔舟『海東諸国紀』(一九九一年)より「日本本国之図」(近畿と中四国)。十五世紀の李氏朝鮮の高官・申叔舟(シンスクチユ)によって王に奉じられた日本研究書。くわしく紹介している余裕はないけれど、実に面白い内容だ。いずれ紹介してみたい。
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坂崎さんも本文で取り上げておられるシャミッソー『影をなくした男』(池内紀訳、一九九〇年一三刷)。《かつて私は「影のイメージ」を収集していて、集めた影のあれこれの図版を掲げながら「僕の"影"狩り」と題する一文を『話の特集』という雑誌に寄せたことがある》……そうだったんですか、『話の特集』に書かれていたとは。
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松原岩五郎『最暗黒の東京』(一九九九年一一刷)より「糶市」。道具屋のせりいちである。「最暗黒の」というが、挿絵を見ているととても活気のある情景が描かれていて明治時代における庶民生活のいろいろな場面がリアルに分かる。絵ならではの伝達力を感じる。
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ベルナール編『ゴッホの手紙 下』(硲伊之助訳、一九八六年一六刷)。これは若い頃むさぼり読んだ。なつかしい三冊本。たくさんのデッサンが挿入されている。
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村井弦斎『酒道楽』(二〇〇六年)より。いわずと知れた黒岩比佐子さんの解説付き。同じく『食道楽』(二〇〇五年)にも人気挿絵画家だった水野年方が雰囲気のある絵を提供している。
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『竹斎』(一九四二年)より。京で「やぶくすし」(藪薬師)として名前が知られてしまったため客がひとりも来なくなり、しかたがないので郎党の「にらみの介」を連れて旅に出るという滑稽なお話。作者は医師の富山道冶(昭和十七年版の当時には作者は確定していなかったらしい)、成立は一六二一年頃。およそ八十年後に芭蕉が『竹斎』になぞらえて紀行文を書いた(野ざらし紀行に言及ありとか)。出だしなど、たしかに『おくのほそ道』に似ている。
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いやあ、楽しいなあ。まだまだあるが、このへんで。トークまでにもう少し集めてみたい。お近くのみなさま、ぜひご参集いただければと思います。
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by sumus_co | 2011-05-27 21:52 | 古書日録
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