昭和31年10月15日発行
編集権発行人 佐藤總三郎
発行所 財団法人日本交通公社
装幀 佐野繁次郎
『佐野繁次郎装幀集成』には「関東」と「九州」が掲載されているが、「関西」篇もあった。きっとこれら以外の地域も刊行されたのだろう(国会図書館は関東篇のみ所蔵)。図柄は同じで文字の色にそれぞれ変化を付けている。
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『ちくま』五月号に坪内祐三さんが『ニコニコ』について書いて、そこに安食文雄『三田村鳶魚の時代』(鳥影社)からの引用がある。
《『ニコニコ』は不動貯蓄銀行頭取牧野元次郎の唱導した「ニコニコ主義」の普及を目的とした雑誌だが(武者小路実篤は『牧野元次郎』学芸社昭和八年で、「無政府主義の思想から、大反[ママ]逆事件が起った時分なので、氏は自分の思想で、そういう危険思想にかぶれる人々に、氏一流の楽天主義を教えて、所謂思想善導を目的とした」と書いているという)》
《『ニコニコ』の創刊は明治四十四年二月十一日で、「大正六年十月一日発行の第八十一号まで継続して刊行され」、「その後、半年の間は休んで大正七年四月から『夢の世界』と改題して刊行を再開」、「この『夢の世界』は大正七年四月から大正八年十月まで出されて、大正八年十一月発行の通巻百一号から再び『ニコニコ』に戻」る。この復活した『ニコニコ』がいつ頃まで発行されたかは不明だが「昭和十年頃までは発行されていたことが確認できる」という。》
daily-sumus でも
『ニコニコ』第十七号
http://sumus.exblog.jp/12477089
について書いたことがあるので追加情報として引用しておく。