速水憲吾『マーガレツト・ミツチエル原作 風と共に去りぬ』(代々木出版社、一九三八年六月一〇日)。四六判、本文四十頁の小冊子。粗筋本。配給元である鉄道厚友会については検索しても何も出てこない。問題はこの発行年月日だ。かつて次のような記事を書いた。
『風と共に去りぬ』各社それぞれのタイトル
http://sumus.exblog.jp/6521068
また黒岩比佐子さんのブログにも「阿部知二『物語 風に散りぬ』(昭和13年6月初版)」を入手したという記事が出ている。
http://blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/51576805.html
さて、その『物語 風に散りぬ』が本邦初紹介なのかどうか。三笠書房も大久保康雄訳を同じ年に刊行しており、早稲田中央図書館に一九三八年九月刊行の『風と共に去りぬ』下巻が所蔵されている。上中下だったようだが、検索した限りでは、この下巻以外はどこにも見つからなかった。上下巻の発行されたのはいつだろう? その時期いかんによってはここに取り上げた小冊子の『風と共に去りぬ』がタイトルとしてはオリジナルだということにもなりかねない。
速水憲吾には『人生案内読本 : その軌道に乗る心得』(大地書房、一九三八年)と『改造内閣の舞台裏を見る : これからどうなるか?』(早川洗=速水憲吾?、代々木出版社、一九三八年)の著書、そして訳書『成功の秘訣 世界の富豪カネーギーと新聞記者の一問一答』(不二書林、一九三八年)があるようだ。
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みずのわ出版柳原氏よりメール有り。
《仙台 火星の庭前野さん、佐藤純子堂画伯無事》
何よりのことです。