林蘊蓄斎の文画な日々
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新潟 2011年2月12日つづき

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地獄極楽小路から西へすぐに斎藤家別邸がある。齋藤氏と鈴木氏が「詩誌「新年」と新潟の4人の集まり展」を開いておられる会場だ。

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底冷えのする土蔵に展示物は並べられていた。市島の旧詩碑に使われていた銅板打ち出しの「ひどい海」もあった。かなり重厚なもの。彫金作家の方が製作されたそうで、こちらはちゃんと旧仮名なのだが、詩の文言が少々違っているとか。

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市島たちの写真パネルや自筆原稿も楽しめるが、やはり目玉は『新年』だろう。復刻版は合本だし、真新しい白い用紙なので、テキスト復刊という意味では高く評価するにやぶさかではないにしても、オリジナルの雑誌としての魅力は再現されていない。失礼ながら新潟でこんなにも垢抜けたスマートな雑誌が、大正末から昭和にかけて刊行されていたとは、思いも寄らなかった。すごい。だからこそ中央の詩人たちも注目したのではなかろうか。全十三冊のうち、まだ三冊が未発見という。発行部数は百とも二百とも。いずれにしても少ないが、古本の世界は何が起きるか分からない。どこかの隅にころがっていないだろうか。

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『市島三千雄生誕百年祭記念誌』(市島三千雄を語り継ぐ会、二〇〇八年)および『市島三千雄の詩と年譜』(市島三千雄を語り継ぐ会、二〇〇七年)を購入。各五百円(新潟市中央区本馬越1-16-12 鈴木良一さんまで)。

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斎藤家別邸をひとまわり。ひじょうに凝った普請というか造作だ。《衆議院議員・貴族院議員を務めた新潟の豪商・齋藤喜十郎(庫吉、1864~1941)が、大正7(1918)年に造った別邸》とのこと。

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斎藤家を出て新潟市立美術館へ。「子どものためのてんらんかい」。所蔵作品を「子ども」の切り口で工夫した展示。時代も作風もまったく関係無く並んでいるのが、あんがいと新鮮だった。コーネルの「レーダー天文学」(一九五六?)、井上有一「閑」(一九六四)そして牛腸茂雄の「幼年の時「間」」1、2、3(上の絵葉書は「1」)などが好きだ。このお子さんは、なんと! しまおまほ(島尾真帆。島尾敏雄、ミホは祖父母。父は島尾伸三)さんだとか(大倉さんから聞いた)。二歳くらい。

正午少し前に絵屋へ。しばらくすると、一昨日、話し込んだA青年が入ってきた。こころなしか表情が固い。彼の顔を見た瞬間、覚悟を決めたなと思った。昨日、じっくりと人生設計について考えた、そして「麵麭」を買おうと決めた、そんな話を聞く。これ以上うれしいことはない。大倉さんと分割払いの相談がまとまった。絵屋の会員なので一割引になるそうだ。これは大きいゾ。A君、ありがとう。

木版画家・小林春規さん来場。京都で二十年、表具師の修業をしたという。昨年亡くなられた築添正生さんと親しくしておられたそうだ。秋野等さん(扉野くんの父上)ともグループ展をいっしょにやったことがある。他にも小森さんとか、いろいろ共通の知人がいることが分かった。以前にも一度お会いしているというが、二人していつだったか思い出せない。前のときの絵屋? あるいは京都かな、などと首をひねる。

北書店で「読む人」を買ってくれた若いカップル。北書店のビルの上階に住んでおられるという古書通の方(神保町に四十年通っておられるとか!)。プルーストを描いた作品を長い間眺めてくださった女性の方。などなど。この日もにぎやかだった。 

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大倉さん、 i さん、 i さんのお子たち二人と酒場ビルの一室にある店へ。京都の祇園で二十年間働いていたというNさんが一人でやっておられる。五年前に新潟へもどったのだとか。お好み焼き、ビール、水割りなど。大倉さんはウーロン茶(禁酒じゃなくて運転のため)。食後に皆で絵屋へ戻ってコーヒーを飲んで散開。

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新潟へ向う鞄に入れた本、一冊。旅には軽い文庫がいちばん。平常あまり取りつく島のないようなもの、と思って『吉田松陰書簡集』(岩波文庫、一九九三年二月一〇日八刷)を選んだ。空港の待合い室から読み始めたが、これがなかなか面白い。例えば、なんと、嘉永五年(一八五二)、二十二歳の松陰は新潟にやって来ていたというではないか(!)。叔父兄宛、嘉永五年二月十五日、松陰在新潟。

《二月十日到新潟。此間雪甚深矣。然寒不甚厳。出新潟雪絶無、而僅有新潟往来》

二月十日到新潟って、まったく同じじゃん(あ、旧暦か……計算すると一八五二年二月二九日にあたる、ただしこの年は閏二月もあった)。二月二十九日ではさすがの新潟も春めいていたか。雪は多かったようだが。この後、松陰は佐渡へ渡り、出雲崎から新潟に戻る。そして三月十一日に秋田へ向けて旅立っている。新潟をモチーフにした漢詩も書き送った(同書翰)。やっぱり猛烈な風が吹いていたのだ。

  宿新潟

 排雪来窮北陸陬。日暮乃向海楼投。
 寒風栗烈欲裂膚。枉是向人誇壮遊。
 男児欲遂蓬桑志。家郷更為父母憂。
 父母憂子無不至。応算今夜在何州。
 枕頭眠驚燈欲滅。涛声如雷夜悠々。

もうひとつ驚いたこと。この岩波文庫のカバーは《装画=内澤旬子》です(!)
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by sumus_co | 2011-02-17 15:51 | 画家・林哲夫
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