『神戸新聞』の「新兵庫人」第二十一部は「本の森から」と題して十二月中に四本の特集記事が掲載された。(1)出版の水脈では平尾隆弘(文藝春秋社長)、間村俊一(装丁家)、村松信人(澪標)、香山哲(漫画家)が、(2)装丁の道では多田和博(装丁家)、戸田勝久(画家・装丁家)、須川誠一(須川バインダリー)、延命光行(創文社)が、(3)書店の根幹では工藤恭孝(ジュンク堂書店会長)、福岡宏泰(海文堂書店店長)、平松二三代(ひつじ書房)、森忠延(井戸書店)が、そして(4)古書の狩人では林哲夫(画家)、浜松彰(勉強堂書店)、尾内純(口笛文庫)、野村恒彦(畸人郷主宰)が紹介されている。
かなり業界に通じた人選だと思った。電子書籍元年にそれぞれの分野でそれぞれ思いを抱きながら「本」にこだわっている人々を訪ね歩いたという感じか。兵庫県の書物力がかなり高いということが分かるような気がする。それにしても、なにがそんなにうれしいのかねえ、このおじさん……。