林蘊蓄斎の文画な日々
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社会主義研究

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『社会主義研究』第一卷第四号(平民大学、一九一九年八月一日)。発行人編輯人は山崎今朝弥。山崎は弁護士で、黒岩比佐子『パンとペン』によれば堺利彦と親しかった。例えば一九一五年八月十七日に売文社を訪ねたとき。

《前回は洋服に下駄という奇抜な恰好だったが、今度は白絣に袴の平凡な姿だったという。山崎今朝弥は宮武外骨に匹敵するほどの奇人だが、社会で奇人変人とみなされる人々と、なぜか堺は相性がいいらしい。》

『弁護士名鑑』には真ツ裸で腕組をした半身像を載せていたというし、名刺には「米国伯爵」と書いていた。幸徳秋水とアメリカで知り合って社会主義を知り、帰国後、平民社の運動に加わるようになった。運動が分裂したときには各派と距離をおいていたため大逆事件に連座せずにすんだ。

「平民大学」は山崎が主宰していた。講師陣は多彩で、大庭柯公、山口孤剣、馬場孤蝶、山川菊栄、生田長江、山川均、荒畑寒村、室伏高信、与謝野鉄幹、宮武外骨、白柳秀湖、西川光二郎、高畠素之、大杉栄、川島清治郎ら。

巻頭はサン・シモンの紹介。前号はフーリエだったそうだから社会主義の歴史をたどる連載(どの記事にも執筆者は明記されていない。これは堺だろうか)。サン・シモンはいわゆる空想的社会主義者の一人。フランス革命後の工業社会における新しい秩序としての社会主義的な新キリスト教(Nouveau Christianisme)を提唱した。

かなり前にあるフランス人がサン・シモンを読んでいるというので、このサン・シモン(Claude-Henri de Rouvroy, comte de Saint-Simon)だと思って話していたら、ルイ十四世に仕えたサン・シモン(Louis de Rouvroy, duc de Saint-Simon、『回想録 Mémoires』で知られる)のことだったと分かって苦笑い。日本では思想家のサン・シモンしか知られていない(現在、日本語のウィキにはこちらしか立項されていない)が、フランスでサン・シモンと言えば、まずは宮廷人の方が思い浮かぶようで、フランスのウィキでは後者の方がずっと詳しい。ただ、二人は親戚になるらしい。

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雑誌の裏にこんなレッテルがあった。直径14mmほど。「左文字勉強堂」は小樽の書店で、出版もやっていた。左文字書房、左文字書店とも。
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by sumus_co | 2010-12-03 22:05 | 古書日録
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