この女性をスケッチしたのはどこだったかよく覚えていないが、京都の地下鉄だったような気もする。ファッション的には二〇〇九年夏というかんじ。今年はこんなふうなかっこうはあまり見かけない。ショートパンツがやけに目立つし、フリフリの花柄の薄いワンピースも流行っている。シーズンごとの変化は顕著だ。エッセイは今年になってから買えなかった古本一覧。
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『マラルメ全集』完結の座談会あり。清水徹、渡辺守章、菅野昭正という編集委員三人。当初は五人だったが、阿部良雄、松室三郎の二人は完結までに亡くなった。二十年以上かかったわけだからあり得ることだろう。
渡辺はパリ大学付属ジャック・ドゥーセ文学図書館に入った「モンドール文庫」でマラルメの「貼付け」を見てびっくりしたという。
《マラルメは、雑誌等の媒体に発表した原稿を単行本に入れるに際して、書き写すのではなく、該当箇所を切り抜いて大きなアルバムに貼っていく。まさに「コラージュ」であり、エクリチュールの線構造を宙吊りにして、空間的な戯れとして読み直していく。》
先日もちょっと書いたが、要するにパズルなのだ。マラルメがコンピュータを使える時代に生きていれば、すっごいことになったか、どうか……。
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