林蘊蓄斎の文画な日々
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Librairie de L'Avenue

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パリ市の北の端、クリニャンクールの蚤の市が開かれる地域の西の外れにアヴニュー書店がある。トポールの検索でひっかかった店で、まったく期待せずに向った。ヒットした一冊だけでも買えればいい。メトロ13号線のガリバルディ下車。環状高速道路を越えると、もうパリじゃない雰囲気濃厚。ややさびれた地方都市のようだ。紙くずが風に舞うなかをぶらぶら歩いて十分くらい。

高速道路沿いにかなり広い範囲に古物市がたっている、というか、とくにこのあたりは路上に勝手に並べているという感じ。この道でいいはずと思いながら、やっとレキュイエ(Lecuyer)通にアヴニュー書店がポツンと建っているのを発見。両側の建物は取り壊されてしまっている。再開発でもやるのだろうか。入口にはペーパーバックがずらり。雑誌のバックナンバーもドカドカ積み上げてある。意外に期待できそうな予感がしてきた。

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まずは入ってすぐレジの女性にトポールはないかと尋ねる。例によってコンピュータ(オルディナトール)でチェックして、図録や画集の並ぶ棚に案内してくれた。あるある、あります。G.J.で買った『デッサン・パニック』も、そこになかった『TOPOR TRAITS』(COLAGROSSI, SCALI, 2007)も。そして『PRESQUE TOUT TOPOR』(GERVEREAU, EDITIONS ALTERNATIVES, 2005)もある。重さも考えつつ四冊ほど選んでレジに持って行くと、彼女は「奥の部屋にトポールのポスターもあるわよ」と裏手を指さした。ポスターとは思いもよらなかった。期待がふくらむ。

縦にずっと一棟、奥行きは……二十メートルくらいはありそうだが、はっきりとは分からない、とにかく間口は狭いが懐は深い。それと並行してもう一棟、やや幅の狭い部屋が二つ、ひとつは高価そうな装幀の古典籍(?)が並ぶ一室、もうひとつは美術関係、画集や図録、ポスター、美術雑誌、版画などやや古めのもの。この部屋担当の女性に尋ねたが、ポスターならそこよとラックを指さすのみ。先客が選んでいる最中だったので、ひとわたり美術関係をながめて待つ。

するとさきの女性がやってきて、さっと一枚取り出してくれ、それから階段のところに貼ってあったエコール・デ・ボザール(トポールの母校)でのトポール展のポスターを示した。これはいまひとつかな、と思ったが、もう一枚のはとびきりいい。『OPUS INTERNATIONAL』No.7(GEORGES FALL, Juin 1968)の広告ポスター。「二枚いっしょなら、値引きするわよ」というので二枚もらうことに。

「たしか『OPUS』には他にもトポールの記事があったはず」と教えてくれたので、四五十冊並んでいるのを手早くチェック。残念ながら表紙にはない。挿絵というか一コマ漫画はいくつか見つかったが、それを全部買い占めていてはキリがなかろう。

レジにポスターを持参。すると彼女は「ほら、この『OPUS』があったわ!」とポスターとほとんど同じデザインの一冊を見付けてくれていた。なかなか優秀な店員さん(?)だ。そして「そうそう『BIZARRE』にもトポールが載っていたはずよ、そこにあるから御覧なさい」。

たしかに『BIZARRE』(これはジャン・ジャック・ポヴェールが版元の雑誌)が数十冊揃っている。こちらも手早く探すと、なんとトポールのデビュー作が表紙を飾った第九号があるではないか。ヤッホー! これだけでも来た甲斐があった。

トイレを借りる。ここには立派なトイレが玄関横にあった。トイレのなかで胴巻きから200ユーロ札を取り出す。このお札はどこで出しても嫌がれる。きわめて崩しにくい札(クーピュール)なのだが、今回はポスター二枚でご登場を願うこととなった。

一旦、精算して、ファクトゥール(ここではレシートという意味で使われている)を書いてもらっていると、白髪の、どうやら主人らしい人物が近づいてきた。彼女が、このムッシューがトポールを探してるのよ、とかなんとか言ったらしい。トポール、それならという感じでゴソゴソッと棚から探し出してきたのが雑誌『LUI』での連載をまとめたらしいトポールの挿絵入り料理本だった。

「あら、それがありましたか」
「まだまだ耄碌しとらんよ、本のことなら、わしに聞きなさい(笑)」
「料理の棚にあったのでうっかりしたのよね」

彼女は小生に向って弁解したが、いやいや、あなたも十分ご立派です。老主人は「まだ他にもあったぞ」とぶつぶつ言いながら倉庫へ入って行って、段ボール箱をひとつ抱えて出てきた。ギョッとする。もしこれが全部トポールだったら(冷や汗)。箱を開いて、分厚い本を取り出す。

「おや、こりゃアラゴンか、違ったな」

ふう。助かった。今思えば、主人がイメージしたのはマルセル・エイメの六冊本ではなかったか。トポールはそれぐらいにしておいて、撮影許可をお願いして店内をひと回りする。いかにもいろいろお宝が隠れていそうだ。値段はおおむね穏やか。雑本好きにはたまらない、南のブラッサンス公園、北のアヴニュー書店と覚えておこう。次の写真でレジに座っているのが、長身でなかなか美人のその女性店員さん。

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『OPUS INTERNATIONAL』No.7、ポスターと同じ図柄。アラン・ジュフロワ、ミッシェル・レリスらが寄稿している。巻頭にはバタイユがハンガリー動乱について書いた「目の前にある緊張の悪夢」という文章が再録され、トポールの強烈なイラストが四点掲載されている。

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パリ日記はまだ続けますが、また一週間ほど海の向こうへ出かけますので、お休みさせていただきます。くれぐれもご心配なきよう。
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by sumus_co | 2010-03-21 21:56 | パリ古本日記
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