文学座公演「夢 桃中軒牛右衛門の」のチラシ。主演は北村和夫。一九七六年二月七日〜一八日、渋谷東横劇場にて。作=宮本研、演出=木村光一。孫文と活動した宮崎滔天が桃中軒雲右衛門に入門して革命浪花節をうなるという筋立てらしい。チラシの中央が滔天、四隅に毛沢東、孫文(右下)、夏目漱石、桃中軒雲右衛門(左下)の写真が配されている。デザイナーについては何も記載はないが、調べると粟津潔だった。ポスター、パンフレットもあるようだ。装置は朝倉摂。
当時、中国大使館から公演中止の申し入れがあったと司馬遼太郎が書いているのはこの公演だろうか。滔天は北村和夫(故人)、妻・槌が松下砂稚子(故人)、妻の姉・波(漱石『草枕』のヒロインのモデルという)が太地喜和子(故人)。そしてその漱石の役をやったのが、あの『渡る世間は鬼ばかり』の角野卓造。こちらです。
孫文は金内喜久夫。学生だった毛沢東は小林勝也(最近だと「JIN—仁」で伊東玄朴の役をやっていた)。さすが文学座、みなさん息が長いようだ。