日記によれば一九九八年の四月十九日にこれを買った。
「河岸の古本屋をのぞいて歩く。ロートレアモンとボードレール(各三〇F)、たいしたものではないが、ちょっと楽しめる。ここでも昔のマンガ本は高く売っている。午後三時三十分すぎに、サンルイ島のエピスリーで妻と合流。マスタード、ワインヴィネガー、塩、ジャムを買う。そこから歩いて、プラース・ド・ヴォージュの南入口のところのキリム屋へ。いろいろ出して見せてもらい、トルコのお茶を出してもらい、結局、三千と二四〇〇Fの二枚にしぼって悩む。二枚で五千にしてくれるというが、予算的に無理なので、二四〇〇Fの方に決める。この間にお茶三杯もらう。免税はVISAカードがないと手続きできないということで、二〇〇〇Fにまけてくれる。
ボローニャのスケッチを見せると、キリムを積んで、イタリアをあちこち行商してまわるという話になる。彼はトルコ生まれでフランスの女性と結婚して十年パリにいるそうだ。トルコにも店があるが、そこは閉めているとのこと。」
このときにはパリとボローニャに半月ほど滞在した。日記に出ているヴィネガーのボトルである。シャンパーニュの白ワインから作っているそうだ。言うまでもないが、白い釉薬のかかった陶器でできており、ずっしりと重かった。
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『sumus』13号、まずはデータとして完成させた。今回は『晶文社図書目録1973.5』を復刻する都合からその寸法に合わせ、タテ185ミリ、ヨコ110ミリという判型にした。そのせいもあるが、アンケートなど予想以上の集まり方で、結局ジャスト200頁になってしまった。雑誌というより単行本(タテは四六判)のようなかっこうである。ボリュームが出てしまった分、定価もこれまでの『sumus』よりはかなり高くなってしまうが、内容はレイアウトしていてもつい読みふけってしまう面白さと言っておきたい。(紙の校正が出しだい目次、表紙など発表します)