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新式漢和辞典

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小野康治『新式漢和辞典』(大盛堂書店、一九二〇年一月二〇日再版)。小野康治(1886~1930)は岡山県上房郡今津村(現・高梁市津川町今津)生まれ。教育者で高梁日新高等学校の創設者。『大正学生国語自習辞典』(駸々堂書店、一九一五年)も刊行している。この漢和辞典は五十音引きで、現在とほぼ同じスタイル。

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元旦は一月一日の朝の意味。朝が過ぎるとは元旦ではないので注意が必要(?)。ついでに御節料理と除夜についてひとことメモしておきたい。

正月の御節(おせち)料理は本来「年迎え」の膳として大晦日に食べるものであった。チベットでは今も旧暦の大晦日に豪勢な料理を用意して近隣の親族一同が互いの家を訪ね合って深夜まで歓談するというし、日本でもそういう風習の地方があると聞いた覚えもある。

また同様な事例について、蘇東坡が左遷され、岐山の麓の鳳翔で正月を迎えたとき、嘉祐七年(一〇六二)年末に作った三つの詩の題辞にこう述べられている。テキストは『蘇東坡詩選』(岩波文庫、一九八〇年五刷)。

《歳晩(さいばん) 相与(あいとも)に餽問(きもん)するを餽歳(きさい)と為(な)し、酒食(しゅし) 相邀呼(あいようこ)するを別歳(べつさい)と為(な)し、除夜に至り旦(あした)に達して眠らざるを守歳(しゅさい)と為す。蜀(しょく)の風俗 是(かく)の如し。》

蜀は蘇東坡の故郷、現在の四川省である。蜀には年末に贈り物をして(餽問)、互いに人々を招く(邀呼)という風習があった。除夜が過ぎて元旦になるまで人々は夜を徹して騒いだのである。当時は太鼓で時を知らせた。朝が近づくにつれて太鼓の数が増してゆく。左遷されている蘇東坡は新年に期待が全く持てない。「時間よ止まれ、このまま騒ぎ続けたい」と願っていた。

で、除夜は大晦日ということだが、また節分の前夜でもあり、冬至の前夜でもある(ということはクリスマスイブと同じ、だから御馳走を食べて騒ぐのだ)。古い時代においては地方や民族によって、使う暦によって一年のはじめをどこにするか、まちまちだった。ただそれは太陽の動きのどの位置を大事と見るか、によって決められていたようである。ちなみに「除」は邪気を除去する意味。節分で鬼を払うのもこれと関連するのだろう(古代オリエントにも似た儀式があったようだ)。

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年が改まって三日間、まったく外に出ていない。新聞を取りに玄関を数歩出ただけ。すぐ近所に橘逸勢を祀った神社があるので、文字が上手くなるよう、初詣にでも出かけようかな。
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by sumus_co | 2010-01-03 21:34 | 古書日録
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