『sumus』13号を刊行することはすでに岡崎、山本両氏らのブログで発表ずみだが、次号の目玉は『晶文社図書目録1973・5』の復刻である。岡崎氏が古書店で入手してあたためていた(?)もの。上の写真で奥に見えているこげ茶色の表紙。ブログ「
本はねころんで」のvzf12576さんによれば、1970年版は黒、71年がオレンジ、72年が空色である。
73年版の目録をまるごと復刻するために晶文社さんにその許可をお願いしていたのだが、本日連絡があって「復刻していただいてけっこうです」という快諾を得た。これによってほぼ『sumus』13号の形がはっきりしてきた。復刻目録(本文52頁)、インタビュー、ゲストおよび同人の原稿、アンケートという構成になる予定。ゲストのひとり蟲文庫さんの原稿はもう届いている! 発行時期は同人原稿の入り方しだい。いずれにしても来年です。
÷
手前は本日頂戴した『ガニメデ』47号(銅林社、二〇〇九年一二月一日)と『gui』88号(田村デザイン事務所、二〇〇九年一二月一日、表紙=高橋昭八郎)。『ガニメデ』は初めて頂戴したが、野村喜和夫、天沢退二郎、岩成達也、金澤一志など小生でも知っている名前が同人に連なる。350頁の大冊だ。「編輯後記」(武田肇)にこうあった。
《本誌発行部数を三〇〇〇部から二〇〇〇部に縮少すると宣言したばかりだが、今號でまた元の三〇〇〇部に戻した。前號では多くの同人に約束の配当部数が行き渡らず、迷惑をかけた。ケチと努力も過ぎて中庸得べきものと悟った。》
編輯者(兼発行者)の苦労はこんなところにある。ちなみに「ガニメデ」はギリシャ神話に出てくる美少年ガニュメーデースのローマ読み。レンブラントが鷲(ゼウスの化身)にさらわれる赤ん坊としてガニュメデスを描いた絵はよく知られている。おしっこちびっているというレンブラントの時代ならではのリアルな描写だが。『ガニメデ』は三月書房が取扱っている。
『gui』で岩田和彦氏の連載を読むと「はち巻岡田」で某画廊主と飲んだようだ。懐あったかいのかなあ。奥成達さんの連載は國峰照子論、お元気そうで何より。
÷
古書目録もつぎつぎ届く。ほとんど買わないのだが、いただくのは嬉しい。『風船舎古書目録』3号、今回も労作だ。『屋嶋めぐり』宮脇開益堂、森田惣吉編、大正14……と出ている「宮脇開益堂」は現在讃岐(香川県)を席巻している新刊書店「宮脇書店」と関係があるのかもしれない。気になった。まだ注文していないけど。中野書店の「お喋りカタログ」もはや四号。単独目録でここまでオールラウンドなのも珍しいだろう。矢部季(季雄)の『香炎華』(巡礼詩社、一九二〇年)には目を惹かれた。