小雨の渋谷で
ポスターハリスギャラリーを探す。東急本店角から左手 Binkamura の方へ曲がりラーメン「あかなす家」の角を左、最初の路地をさらに左に入ると突き当たりのビル。階段をトントンと上がった一階の奥である。ラブホがあったり鉄工所があったりとなかなかアメージングな路地。
「アトリエ空中線十周年記念展 インディペンデント・プレスの展開」。Jシュールとでも呼ぶべき系列の作品や出版物が並び、とても素敵な展示になっている。京都ではおなじみ、空中線の造本は一種独特のもので、自分ではとうていこんなふうな本は作れないが、それだけに憧れを覚える。記念図録(上の写真のポスターと同じ、その下は同ビルの住居表示)を購入する。これを求めるとギャラリートークの参加資格ができるらしい(第二回は28日、詳細はHP参照)。
ポスターハリスギャラリーから駅の方へもどって渋谷古書センターをのぞく。地図が不備だったためたどり着くのに苦労した。一階の店は土地柄か大人の本棚のあたりがにぎわっている。二階の Flying Books をゆっくり見る。ここで出会ったが百年目というのがなくて(だって東京じゃあ、ありきたりの本は買えないよ、荷物になるし)手ぶらで撤退。一階に降りたところの文庫棚にサド『美徳の不幸』(澁澤龍彦訳、角川文庫、一九七一年四版)が目についた。ありきたりだとは思いつつ安さにひかれて求めることに。書店カバーが気に入った。