CDP(カフェ・ド・ポッシュ)の『音楽と本と人』のアンケートに答えたことはすでに書いたが、音楽の人に本のこと、本の人に音楽のことを質問している。回答者メンバーは以下の通り。他にエッセイも八本あってお徳な一冊。400円+税。
水島博範さん (ライブハウス磔磔店主)
江口恭子さん (ピアニスト)
中山博之さん (男性合唱団アルマ・マータ・クワイヤBass)
伊藤あゆさん (日本のこぎり音楽協会東海支部部員)
下村よう子さん (薄花葉っぱボーカル)
平野敏彦さん (OYSTER RAW 鍵盤)
吉田省念さん (ミュージシャン)
かついまさこさん (ジャズオルガン、ピアノ演奏家、マニピュレータ)
イガキアキコさん (たゆたう、グラフィックデザイナー)
中川ワニ勇人さん (ジャズ鑑賞家)
村松美賀子さん (ライター、編集者)
山本善行さん (古書善行堂店主)
林哲夫さん (画家、文筆家)
幸田和子さん (アトリエ箱庭店主)
松田青子さん (作家、俳優)
南陀楼綾繁さん (ライター、編集者)
堀部篤史さん (恵文社一乗寺店店長)
次田史季さん (貸本喫茶ちょうちょぼっこ)
野崎泉さん (ライター)
藤谷篤さん (ポコモケ文庫店主、司書)
http://cdp.blog.drecom.jp/
音楽は好きだし、今でも絵の仕事をしているときには、必ず何か流している。シーンとしているとかえって疲れる。軽い雑音がある方がいい。キーボードをたたく仕事や装幀(やはりキーボードです)のときには何も音は流さない。とくに意味はないが……あ、たぶん再生装置がパソコン部屋にないからだ。あれば音を出すかも。書斎の音のためにもう一台何か買うというつもりもなし。ということでまったくのBGM派、音だけをじっと聴くというのはほとんどない。だから曲名も余り熱心に覚えない。モンクの特徴的なフレーズでさえ、外出していて耳にすると「これ知ってる、いつも聴いてる曲」みたいな、そんな感じである。こんなことでは音楽好きとは言えないか。
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『彷書月刊』十一月号、特集は珍品大オークションだが、亀和田武×坪内祐三「『倶楽部亀坪』刊行記念トークショー『彷書月刊』あらしぼり」は面白く読んだ。その後半、グレイトフル・デッドとその時代についてかなり熱っぽく語られていた。デッドというのはほとんど聴いたことがなかった。都合良く TSUTAYA のクーポン持参100円の案内がきていたので三枚ほど借りてみた(三枚しかストックがなかったのだが)。
一九六七年のデビューアルバム「The Grateful Dead」が聴いてみたかったが在庫せず。六八年の「Anthem Of The Sun」、七〇年の「Live / Dead」、七一年の「Workingman's Dead」を借りた。三枚の中では「Live / Dead」がいちばん良かった。まったく様々な音の要素というかジャンルが混沌として、ようするに一言で言うなら消化し切っていない「ヒュージョン」である。ドアーズやサンタナと較べるとボーカルがみすぼらしい。「Workingman's Dead」はいただけないカントリーで、しかしこれがヒットするのだから、アメリカらしいなあと思った。