秋晴れの気持の良い一日。まずは堂本印象美術館で開催されている「和装美人から洋装美人へ 大正・昭和の女性像」展を鑑賞。日本画では、印象はもとより清方、松園、深水、夢二らが並んでいたが、中村大三郎の女性像が何か特異な雰囲気で目立っていたように思う。宇崎純一や小林かいちも小粒ながら存在感をみせてキラリと光っていた。
その後、堂本印象旧邸へ移り、第2回京都図書研究会のレクチャー。十三名参加。京都で発行された絵葉書の種々様々を生田誠氏が実物を並べながら解説してくれた。世の中にはほんとうにいろいろな画家がおり、版元があったのだと再認識した。それらはほとんどすべて忘れ去られている。
扉野良人氏は大正二年と三年の京都の大工さん(?)の日記を持参しており、それもまた珍品。休みの日には古本屋で『冒険世界』を買い、京極で活動(映画です)を観て牛肉を食う。なんとも親しみのわく内容だった。
写真は上から印象邸の勝手口、画室の床の間の仏像群、絵筆など、廊下の書棚、生田コレクション絵葉書を嘆賞する参加者たち。ちょうど写っている絵葉書も作者不詳、明治末ごろ。アールヌーヴォをストレートに取り入れた図柄である。なお書棚の本はすべて英独仏の洋書だった。美術以外にもさまざまなジャンルの本が混じっていた。いくつかタイトルを読んでみると以下のようなもの。
・NEW TENDENCHIES IN ART
・BESTIARE D'AMOUR
・ANTONI TAPIES
・THE PICTORIAL ENCYCLOPEDIA OF PLANTS AND FLOWERS
・JAQUE CALLOT
・ITALIE RENAISSANCE MERIDIONALE
・BADEN-WÜRTTEMBERG IM FARBBILD
・A HISTORY OF TOYS
・PLAYING CARDS
・GAUGUIN ET L'ECOLE DE PONT-AVANT
解散後、近くのマクドで生田氏、マン・レイ・イスト氏、はんのき中村氏とコレクター気質についてなどの話題で盛り上がった。
京都府立堂本印象美術館
http://www2.ocn.ne.jp/~domoto/access/index.htm