駅前の銀行へ現金を引き出しに行った。CD機が十台ほども並ぶ専用の建物が駐車場の端に建っている。数人の先客がおり、幼稚園くらいの子が三輪車に乗って隅っこで待っていた。引き出し終わると機械から「ありがとうございました」という音声が流れる。「はいはい」と心中で返事しつつ振り向くと、三輪車の男児がスクッと立ち上がって
「ありがとうございました」
と礼を述べた。オッと思って「はいどうも」と答えたが、この子、こども店長だったのかもしれない(なわけないか)。
写真の本は『美味しくて経済的な一年中朝昼晩のお惣菜』(大日本家庭料理研究会、金星社書店、一九二八年)。実りつつある稲田の前で撮ってみた。