林蘊蓄斎の文画な日々
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古書拝受深謝

いろいろ頂き物をしてしまったのでまとめて紹介しておく。

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『新日本画分科講話』(日本美術学院、一九一五年)。日本美術学院は田口掬汀(鏡次郎)が設立した日本画、洋画の通信教育機関。美術書や美術雑誌『中央美術』なども発行した。これはそれらのうちの一種で、川合玉堂、安田靫彦、鏑木清方、今村紫紅、石井柏亭らが執筆している。

写真は鏑木清方「美人画講話」より。木版墨刷の折り込み手本付き。

《全然絵の素養のない人が一番初めに着手すべき仕事としては、摸写と透き写しとの二つである。此の摸写と透き写しとを出来る丈け長くやつて、一通り原画に似つかはしいものが出来るやうになつたならば傍ら写生を初め写生を応用して此度は自分自らの絵を作る。》

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『文学界』第二卷第一号(文学界社、一九四八年一月一日、表紙=青山二郎)。井伏鱒二の「疎開記」に太宰治が登場している。御坂峠の茶屋の娘が十二歳で亡くなった話。井伏はその娘と馴染みだった。娘は井伏のことを「イブセンさん」と呼んでいた。

《この子はまた太宰治のことをタダイさんと云つた。太宰治は或る年の秋から冬にかけて、この茶店に百日あまり滞在してゐたので、いはゆるタダイさんにこの子はなついてゐた。それ以上にこの子はイブセンさんになついてゐた。》

まだ太宰が生きている頃である。この年の六月に入水自殺することになる。また茶店に井伏の知人がやってきたとき「人形の家」のイブセンを非難した。それを聞いていた女の子は《イブセンさんのことを悪く云つたと口惜しがつた》そうだ。井伏はイブセンとイブセの違いを説明してやったが納得しないふうであった。

《富沢君の奥さんが私にこんなことを云つたのを私は思ひ出した。イブセンは偉いが、あんたはンが一つ足りないのだ。さういふ洒落を云つたことがある。しかし私は茶店の次女の前で、その駄洒落のおさらへをしなかつた。》

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『季刊武蔵野美術』七二号(武蔵野美術大学出版編集室、一九八八年七月一六日)より。アロルド・デ・カンポスの作品(一九五八年、「テイク・ファイヴ」の時代!)

《具体詩[ルビ=コンクリート・ポエトリー](concrete poetry)は一九五〇年代の初頭、西ドイツとブラジルでほぼ同時期に提起され、六〇年代の初頭、国際的な運動へと波及し諸芸術の相互浸透的なアクティヴィティの導火線となった今次大戦後における実験詩としての言語芸術である》(向井周太郎「20世紀の言語水脈」)

西ドイツではオイゲン・ゴムリンガーの一九五三年刊の詩集『星座』(Konstellationen)とその翌年の宣言文「線行から星座へ」によって示され、ブラジルではアウグストおよびアロルド・デ・カンポス兄弟とデシオ・ピニアタリらの「ブラジル・ノイガンドレス派」(一九五二年設立)になる。

一九六〇年にはアロルドがゴムリンガーに紹介した北園克衛の「単調なる空間」がスイスの雑誌『シュピラーレ』(spirale)八号に飜訳掲載されて西洋のコンレーティストたちに衝撃を与えたという。

Concrete poetry Authors
http://www.educationdigitalmedia.com/view/13

詩集『煙の直線』所収「単調な空間」より
http://www.designroomrune.com/magome/k/kitazono/kitazono.html
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by sumus_co | 2009-08-06 21:26 | 古書日録
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