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ジェームズ・ジョイス『Dubliners』(Penguin Books, 1973)。またまた昨日のアイルランドからの連想で。表紙画はジャック・バトラー・イェーツ(Jack Butler Yeats ,1871–1957)、詩人のウィリアム・バトラー・イェーツの末弟。

これは表紙だけ。アイルランドではなくスコットランドの話を少々。石川遼が全英オープン初日でけっこうきばっていたなかで、地元生え抜きのキャディ、リー・マッカラン氏と話し込むシーンがしばしばテレビに写っていた。よく会話ができるもんだと感心した。

スコットランドではエディンバラに数日滞在したことがあるだけなのだが、というのもフェルメールの初期作品「マルタとマリアの家のイエス」(スコットランド国立美術館)が見たくて出かけて行ったわけで、そのきわめて坂の多い、灰色の石でできた街並にはいたく魅了された。しかし、地元の人の言葉がまったくと言っていいほど分からなかった。

ある中華料理店で食事をとっているとき、たまたま隣の席に座った老婦人に声をかけられた。
「どこから来たの? 中国? ベトナム?」
「いえいえ日本から」
「これとっときなさい」
「とんでもないです、けっこうです」
みたいな会話を交わした。イギリスにもベトナム難民が多かった時期で彼らはすぐにお金をくれようとしたのだ。

その老婦人の発音が聞き取れない。同席していた娘さんがいちいち通訳をしてくれる。そちらはいちおう標準語みたいな言葉(Received Pronunciation)だったので、こちらの日本教科書英語でもなんとか通じたのである。

お金がだめならと、自家用車で案内してあげるわ、ということで市内から湾岸、エアポートまでぐるりと連れ回ってくれた。ちょうど八月の初めで、エディンバラでは毎年恒例の「Tattoo」という、タータンチェックのキルト(quilt)をまとった社中(clan)がパイプ(バグパイプ)の演奏を競うというお祭りが開催されようかという時期だった。街のあちこちでその練習をしていた(ちなみに今年2009はロバート・バーンズ生誕250年記念だそうだ)。老婦人のご主人はある社中の長(president)だったらしいが、何年か前に亡くなっていた。

どんな英語だったか、聞き難かったことだけ覚えていて内容は消えていた。検索してみると、いくつか特徴が挙っていた。まず「r」が巻き舌になる、[au]が[ou]になる(アウトがオウト)、語末の「o」は伸ばす、語頭の「h」、語末の「t」を発音しない(フランス語みたい)などなど(厳密ではないのであしからず)。そうだとすれば「Ryo」は「リィヨォー」になるはずだ。

映画「マイ・フェア・レデイ」のヒギンズ教授が "The rain in Spain stays mainly in the plain." とイライザの言葉を直すシーンは印象深いが(ロンドンのコベントガーデン訛だったはず)、おそらく上述の娘さんはそれに似た教育を学校で受けたものと思われた。そうかスコットランド訛を実感したいなら映画がいい。「トレインスポッティング」「ローカル・ヒーロー」などいろいろある。

それからキャディのマッカラン氏の名前だが、誰かさんが毎夜飲んでいるスコッチのマッカラン(Macallan)と同じだろうか? ちなみにマッカランのウエアハウスはグラスゴーから北へ170kmぐらいのところにあるらしい。Craigellachie Aberlour, Banffshire.

http://www.whisky.com/brands/macallan_brand.html

ちなみにターンベリーはグラスゴーの南南西およそ70kmに位置している。
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by sumus_co | 2009-07-17 22:10 | 古書日録
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