林蘊蓄斎の文画な日々
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MACHI

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「はんのき」での買物のうち、これがいちばん気になっている。『ローマ字読本(第二種)MACHI 小学校 第五学年用』(文部省、大阪書籍、一九五〇年二月一五日修正翻刻発行)。文部省の著作。表紙画と挿絵は同じ画家だろうが、作者名は分からない。サインもない。どこかで見たようなタッチなのだが……。

内容は町の生活をつづったローマ字の文章が並んでいる。戦後のローマ字教育は昭和二十一年のアメリカ教育使節団の報告書に基づいて実行されたようである(井上ひさし『東京セブンローズ』が戦後のローマ字化問題をテーマにしているようだ、読んでいないけど)。旧文化をリセットしようとした羽仁五郎らローマ字運動家たちが強く使節団に対して働きかけたのだともいう。それにしてもこのローマ字の電報は実際に国内で使われていたのだろうか、気になる。

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それら暮らしのローマ字表記とは別に読物として小川未明の「SHIO O NOSETA FUNE」と野上弥生子訳「ALPS(ARUPUSU)NO YAMA NO MUSUME」が収められている。ちなみに「塩を載せた船」の初出は『童話』一九二三年五月号。スピリ(シュピーリ)作「ハイヂ」の初訳は野上弥生子による『世界少年文学名作集第八巻』(家庭読物刊行会、一九二〇年)。英訳からの重訳だったが、戦前は野上訳が定本とされたようだ。山本憲美訳『楓物語』(福音書館、一九二五年)が唯一の例外らしい。おそらくローマ字版はハイジの書誌には出てこない(?)と思うので紹介しておく。
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by sumus_co | 2009-07-10 21:09 | 古書日録
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