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実用新辞典

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森本樵作『発音数引 実用新辞典』(開文館、一九〇八年)。序は芳賀矢一(はが・やいち、当時、東京帝大国語国文学教授)。森本樵作(もりもと・しょうさく、竹南)は愛媛県東予の出身。明治三十四年には雑誌『史学界』で高桑駒吉の助手を勤めていたという。この辞典以前に『陸海軍十五大将列伝』(五洋館、一九〇五年)を著しており、明治四十二年から大正八年まで栃木県女子師範学校の訓導だった。『下野史談』に度々寄稿し、著書も『弓矢の偉人 那須餘一宗隆』(亀田書店、一九一六年)、『東予に於ける特殊民の芸業』(一九二一年)などがある。大正十五年歿。

《発音数引》と冠があるように、いろは順、文字数順(一言、二言、三言、四言、五言、六言以上)に配列されている。これは馴れないと引きにくい。内容は《中学程度の学生の参考用書として編纂したるもの》(森本)、《森本氏の二十世紀節用辞典》(芳賀)とのこと。

見出し語のなかに「古書 コシヨ」はあるが「古本」はない。「図書」は取られていないが「図書館 ヅシヨクワン」はのっている。《図書を多く集め置きて衆人の観覧に供するところ。》

÷

『一冊の本』二月号(朝日新聞出版)から永江朗氏の連載「セゾンの人びと」がはじまった。ミーハー的にきわめて面白い。セゾン系の美術館には、小生もたしかにお世話になった。アール・ヴィヴァンは立ち見(画集ばかり)専門だったが、関西へ転居してからも、大津西武やつかしんでセゾンな展覧会を数多く見た記憶がある(今は、埼玉県立近代美術館がピロスマニだとかセゾン系の遺産を引き継いでいるようだが)。セゾンというのはやはり大きなムーブメントだったと思う。

「セゾンの人びと」には

《全六巻に及ぶセゾン・グループの社史、『セリ・セゾン』を編集したのは、車谷長吉だ。》

とか

《渋谷のカンカンポアに転勤になったとき、最初に聞かされたのは田中りえの伝説だった。『お休みなさい、と男たちへ』や『やさしく、ねむって』という小説を書いた人であり、田中小実昌の娘である》

とか、の記述があり、もうすでに神々の世界のお話みたい。
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by sumus_co | 2009-02-07 21:45 | 古書日録
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